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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
571部分:第四十五話 魏延、一目惚れするのことその三

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第四十五話 魏延、一目惚れするのことその三

「絶対にな」
「そうやな。人が言うてもなあ」
「聞く連中ではないな」
「キムもジョンもな」
「それは絶対にない」 
 また断言する華雄だった。
「何があってもだ」
「そうやなあ。月ちゃんも実はな」
「困っておられるしかん」
「あの人は優しいさかい」
 そこが問題だった。董卓はあまりにも心優しい少女なのだ。しかし二人はというとだ。残念ながらまた違った『優しさ』の持ち主なのだ。
「そやからな」
「あそこまでのことはな」
「正直することはないと思うてるんや」
「詠もだしな」
 彼女もだというのだ。
「内政は助かっているがそれでもな」
「やり過ぎやさかいな」
 とにかくこれが問題だった。
「董白ちゃんもやしな。後は」
「あいつか」
「ねねは賛成しとるからな」
 これが問題なのだった。
「しっかりとな」
「あいつはそこが問題だな」
「ほんまやな。恋以外にはきついわ」
「逆に言えば恋には優しい」
「何処までもな」
 それが陳宮なのだった。あくまで呂布に対して一途なのだ。その一途さが彼女にとって長所であり短所であるというのである。
「悪党には容赦するながあの娘の持論やからな」
「ううむ、それはその通りだが」
「それでもあれはな」
「やり過ぎや」
 陳宮の場合はそうなのだった。
「困った話やで」
「全くだ。それでだが」
「ああ。それで?」
「最近この擁州もよおなったけれどな」
 内政面の話だった。
「何か近頃な」
「妙な輩の噂も聞くからな」
「青い服の金髪の男な」
「知っているか?そういう奴は」
「いや、知らん」
 張遼は華雄の言葉に首を横に振って応えた。
「けれどそれでもな」
「怪しいものは感じるな」
「他にも目を髪の毛で隠した派手な服の女とかな」
「何処からか出て来て何処かに消える」
「どういう奴等やろな」
「キム達と同じか?」
 華雄はここでこう言った。
「他の世界から来た者達か」
「多分そやろ」
 張遼はそれは間違いないと見ていた。
「服装の話も聞いたらな」
「そうだな。あちらの世界の服だな」
「けれど。キム達とは何かちゃうな」
「あちらの世界の人間も色々な奴がいるからな」
「ええ奴もおれば悪い奴もおる」
「よくわからない奴もな」
 こうも言う華雄だった。
「いるからな」
「その中には洒落にならん奴もおる」
「そういうことだな。それではな」
「それでは?」
「飲むか」
 微笑んで、であった。華雄はこう張遼に言ってきた。見れば杯を持つその手は止まっていた。それは二人共もであった。

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