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NARUTO 桃風伝小話集
その23
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せた写輪眼を目にしたシカマルは、腰を引けさせて慌てて否定してきた。

「別におりゃーナルトに惚れてる訳じゃねーっつーの!里の一員として、つーか、友達としてだ、友達!ダチだけどオレは男だからな。ダチだろうがなんだろーが、女はオレら男が守ってやんなきゃなんねーと思ってるだけだ。お前だってそう思ってるから、アイツのフォローいれてやってんだろが!!それと同じだっつーの!」
「オレと同じだと?」

シカマルの言葉はそんなオレの気持ちを逆撫でした。
だが、そんな事にはお構いなしにシカマルは続ける。

「ああそうだ!お前だってナルトは脳天気に笑ってるほうが似合うって思ってんじゃねーの?そしてそれが今の木の葉じゃ結構無茶な要求で、大分難しいって事にもよ」

シカマルが吐き出した事は、確かにオレも常々感じ、薄々思っていた事だ。
思わず言葉を失い沈黙する。

「オレは別にアイツに何か特別な思い入れがある訳じゃねーけどよ、アイツが本当は女で、何か里に重いもん背負わされてて、そんで、里から除けもんにされてんのは分かる。そんで、オレはそれが面白くねー。けど、オレにゃあ、アイツを守る事もアイツの抱えてるもん軽くしてやる事もできねーんだよ。悔しいけどな」

いつしかオレは、黙ってシカマルの言葉に耳を傾けていた。

「ナルトはオレの見たとこ、お前とヒナタ以外、この里に気を許してる奴は居ねえ。そして、アイツを本当に笑わせられるのも、今のとこ里の中じゃお前ら二人っくらいきゃ居ねーんじゃねえの?信用されてねえのは悔しいけどよ」

それもまた事実だ。
そして。

「それに、アイツ、里外れの山の中に一人で住んでんだろ?女の一人暮らしだってのに、危険じゃねーのかよ。お前、気にならねーのかよ?」

続いたシカマルの指摘にオレは沈黙する。
シカマルの指摘は全く以て正しい。
そんな事、気にならない訳がない!

大体ナルトの奴は、自分が女だっていう自覚が薄すぎるんだ。
今でさえ、油断すればオレの布団に潜り込んで来やがろうとするし!
そもそも、アイツに負の感情を持つ里の人間の中でも、馬鹿で下衆な奴らから、一人暮らしのアイツの身を守る為とは言え、物心つく前から男として育てたとか、一体それはどうなんだ!?
しかも、4、5歳のガキを山の中に放りだして、監視付きでも一人で生活させるとか、全体的にアイツへの対応は変でおかしすぎるだろうが!
だからアイツには常識がねえし、自覚も生まれてねえんだ!
アイツに自覚の欠片も何もねえから、自分のどんな所を誰のどんな目から隠せばいいのかもあやふやなままで、素直にオレに懐いて来ちまってんだろうが!!!!

ただ、そういうあれこれを素直に口に出すのは憚られた。

「まあ、その顔見りゃ、何となくお前の気持ちも分からな
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