その23
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倒くさい中身の男がオレに近付いて来た。
「よお、サスケ。ちょっと良いか?」
手短にそう言って、顎をしゃくって教室の外を指す。
何が目的かは知らないが、良い度胸だ。
オレもこいつにははっきりさせておきたい事がある。
それに、ナルトとヒナタのアホな振る舞いのせいでオレまで注目されている今、この場を少しの間とはいえ離れるのは好都合だ。
「……良いぜ」
短く了承し、席を立った。
「やけに物分かりいいな」
男は眉をしかめて小さくぼやく。
しかめられた表情には、口癖の『めんどくせー』が表に出ていた。
自分から近付いてきてオレを誘った癖に。
思わずオレも不快になり、眉を寄せる。
だが、直ぐに気を取り直したらしい。
「ま、いいか。付いて来いよ」
「ああ」
顎をしゃくり、ズボンの隠しに手を突っ込んで歩き出す。
オレは短く了承し、先導する男の後を付いて行った。
人目を避け、人気のない方へとシカマルは歩を進める。
オレは黙って後に続く。
やがてシカマルが足を止めた場所は、アカデミーの校舎裏の、物置と校舎と植木の陰だった。
人に聞かれたくない話を手っ取り早く済ませるには、アカデミー内ではここは最適だ。
それ程スペースは無いが、2人程度ならば問題ない。
建物と植木がほぼ四方を囲むような形になっているため、どこからも死角になりやすいポイントだ。
内心、この場所を選んだシカマルに及第点をつける。
足を止めたと言う事は、そろそろ話を付けようと言うことだろう。
こいつとオレは、直接接点が有るわけじゃない。
いつの間にやらナルトがコイツ等と交流し始め、いつの間にかオレまで顔を合わす事が多くなっただけだ。
きっかけは、キバの野郎だったようにも思う。
だが、どちらかと言えば、コイツはナルトとの方と気があっているように思える。
しかし、ナルトに付きまとわれ、なし崩しにシカマル達と接触を増やしているうちに気が付いた。
例えアカデミーの成績が揮わなかろうと、木の葉の名家、奈良家の名前は伊達じゃないと。
それに、いつからかははっきり覚えてはいないが、気付けばこいつがナルトを見る目が変わっていた。
真剣な、考え深い意味ありげな物に。
それにオレが気付いた時から、オレとシカマルの間には一種の緊張感を孕んだ駆け引きめいたやり取りが交わされるようになった。
だからこそ、オレはこいつに付いて来た。
そしてこいつの話の内容も察しは付く。
黙って付いて来たのには訳があった。
口火を切ったのはシカマルだった。
「お前意外と短気だからな。だから結論から言う。単刀直入に言うぞ。ナルトの奴は女だな」
問い掛けでもなく、鎌かけでもなく、確信を込めた断定の言葉に思わず沈黙する。
こいつは意外と頭と口
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