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NARUTO 桃風伝小話集
その23
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何をどうしたらそうなるのかは良く知らないが、封印の書を狙ったミズキをダシに、ナルトのアカデミー卒業が決まった次の日。
意気揚々とオレと共にアカデミーに登校してきたウスラトンカチを見つけたヒナタが、喜びと興奮に頬を赤らめ、瞳を輝かせて、ナルトを目指して駆け寄って来た。

「ナルト…君!上手く、上手く行ったんだね!?」
「ヒナタ!」

対するウスラトンカチも、喜びに頬を染め、駆け寄って来た日向ヒナタの両手を取り、しっかりと握り締めて問い掛けに応える。

「うん!僕、頑張った!ヒナタとの約束、ちゃんと守ったよ!!」

それを聞いた日向ヒナタは、瞳を潤ませ、感無量とばかりに笑顔で頷きを繰り返す。
朝っぱらから人目も憚らず、オレの隣で感動の再会をおっぱじめやがったウスラトンカチと日向ヒナタに、オレは少し頭が痛い。
何も知らない馬鹿な奴らが今のやり取りを目撃したら、一体どんな事になるのか、コイツ等は少しくらいは考えた事がないのか。
只でさえ、事実無根な面白可笑しい噂がアカデミー内で蔓延っているというのに。

だが、その噂がナルトの秘密を隠す役に立っているのも確かだ。
そういう意味で、日向ヒナタの存在は実に有用だ。
別の意味でも日向ヒナタの存在は、あのウスラトンカチに取って救いになる。
何よりヒナタは馬鹿ではない。
それはとても得難い資質だと思う。

色眼鏡をかけず、きちんとアイツを見てやれる人間が身近にいると言うのは、下らない物に囚われて、この里の殆どの人間に疎まれている、親も係累もこの里には誰もいないこのウスラトンカチにとって良い事だ。
そしてヒナタは、自分に付きまとう可笑しな噂を否定もしなければ嫌がりもしていない。

ならばオレが口を出す必要は無い。
そう思いつつも、オレ達に集う好奇の視線に、お前ら二人とも、もう少し周りに目を向けろと諭したくもなる。
教室中の、下卑た好奇心丸出しの視線が、喜び合う二人に幾つも降り注ぐ中、二人は完結した世界での会話を進めていく。

「だからヒナタ。約束だよ。僕の話を聞いてくれる?」
「うん。分かった。ナルトちゃ、君!勿論聞かせて。私、ナルト君の話が聞きたい。お願いしても良い?」
「勿論だよ!じゃあ、場所移そう?」
「うん!」

ヒナタが興奮の余りに口を滑らせそうになり、ヒヤリとしたが、二人は嬉々としながら揃って教室を後にした。
どこの少女漫画の恋人同士かと思うようなやり取りを目撃したクラス中のあちらこちらから、二人の仲を邪推するような囁きが漏れ聞こえてくる。

そして、一人残されたオレにも、ついでのように好奇の眼差しが降り注ぐ。
何時にもまして、オレを遠巻きに眺めて面白がる視線が集まり、隠しきれない苛立ちを覚え始める。
そんな中、面倒くさがりのクセに、意外と面
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