第二章
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「しかも安くて早くてな」
「量もたっぷりですか」
「それこそ武専の学生さんが食ってた豚カツみたいだ」
「ああ、昔京都にあった」
「御前も知ってるだろ」
「剣道やってましたから」
大学時代までは剣道部だった、それでこの武道専門学校も知っているのだ。
「凄いところでしたよね」
「俺は柔道だったけれどな」
名倉はそちらだ、すらりとした体格だが実は四段の腕前だ。
「武専の学生馴染みの食堂じゃ本当にな」
「草履みたいな豚カツ食ってたんですよね」
「本当にそんな感じの豚カツやらハンバーグが出てな」
「ハンバーグもあるんですか」
「びっくりドンキーみたいな感じでな」
名倉は今度は今のチェーン店の話を出した。
「四〇〇はあるな」
「びっくりドンキーで普通三〇〇ですからね」
「それが四〇〇だ」
「特別サイズですね」
そのびっくりドンキーでもだ。
「それは凄いですね」
「話を聞いていて楽しみだろ」
「はい、今も日課でジムに通ってまして」
仕事帰りにだ、今勤務している会社と同じ八条グループのジムなので安く使用出来るので利用しているのだ。
「その分もう腹が減って」
「それでだな」
「はい、そこまでボリュームがあるなら」
豚カツやハンバーグの話を聞いての言葉だ。
「是非」
「よし、それじゃあな」
「今からですね」
「その店に行くぞ」
「そのお店食堂ですか」
豚カツやハンバーグだから洋食かもと思ったが高橋は何となくそう思ったのでこう聞いたのだ。
「それで」
「ああ、そうだ」
「やっぱりそうですか」
「食堂もいいだろ」
「はい、何といいますか」
食堂という種類の店についてもだ、高橋は答えた。左右の見慣れたビル街を横目で少しだけ見つつ。
「馴染めますよね」
「いい感じでな」
「落ち着いて食えます」
「だからな」
「ここは、ですか」
「ああ、食堂でな」
まさにその店でというのだ。
「食おうな」
「じゃあ定食を」
高橋はこれを食おうと思った。
「そっちにします」
「ああ、俺もだよ」
「先輩もですか」
「定食を考えてるんだよ」
そちらをというのだ。
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