第五章
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そしてだ、あるネットゲームに夢中になっている人間を軽蔑すると言うとまた批判が来た。
「御前の方こそ軽蔑するわ」
「御前の漫画の方がつまらない」
「他人がどんなゲームしてもいいだろ」
「本当に馬鹿なことしか言えないな」
「あとまた野球選手とアナウンサー結婚したぞ」
このことも言われた、何故か鳥越が嫌うこの交際についても。
「また怒るんだろうなこの小者」
「というかこいつの発言全部小さいな」
その器の小ささをまた看破された。
「ネット嫌いだからネトゲやる奴は軽蔑か」
「よくそう言えるな」
「じゃあ御前の漫画を軽蔑してやる」
「というか軽蔑にも値しないな」
「こんな器の小さい奴一瞥にも値しないぜ」
「何も観る必要ないぜ」
こう言うのだった、そして鳥越が出ている番組はおろか彼が主に出ているテレビ局自体もだった。
急激に視聴率が低下し振り向かれなくなった。そして銀座の街で自分が出ている番組の打ち切りに自棄酒をして荒れて歩いている彼をだ。
ある猫がゴミ箱の上から見ていたがだ、鼻で笑った仕草をして駆け去った。鳥越はその猫に気付いてだった。
猫がこれまでいたゴミ箱を蹴飛ばしそこでこけてひっくり返ったうえで蹴飛ばしたゴミ箱のゴミの中に塗れた、道行く者達はその鳥越を見て笑って言った。
「あはは、何だよあいつ」
「みっともねえおっさんだな」
「ゴミ箱蹴ってゴミだらけになってるぜ」
「こけてな」
「何か猫に怒ってたな」
「猫に怒るなっての」
「みっともない小さい奴だな」
その鳥越を指差して言う。
「チンケな奴だな」
「ああゴミ臭いゴミ臭い」
「あんな奴になりたくないな」
「子供には見せられない馬鹿だな」
その鳥越を見て笑って言う、誰もが彼を馬鹿にして嘲笑っていた。その無様な様子を見てそのうえで。
因果応報 完
2017・5・12
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