フェアリーダンス編
喪失感
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それに相棒が残した最後の言葉。
『皆とリアルで会いたかった。』
もう少し小さかったら聞こえない、儚い本音。
初めて口にした本音を俺達は叶わせられなかった。
蒼の剣士、蒼の死神、彗星、裏切り者……
相棒は沢山の二つ名があるが、あの場にいた攻略組には全く違う名前で今呼ばれていた。
"影の英雄"
あの場にいなかったプレイヤーは、デスゲームを終わらせた英雄を俺と言うが真の英雄は俺じゃない。
ライアが真の英雄だ。
だが、それを公に公開しても信じてくれる者は少ない。
だから影の英雄と呼んでいた。
「……ちゃん、お兄ちゃん?」
「…ん?」
スグはボーッとしていた俺に心配したのか話しかけてきた。
「怒る気持ちも分かるよ……でも、本がボロボロになっちゃう。」
「え?………あ。」
無意識の内に手に力が入っていたらしい。
あるページがクシャッとシワが寄っていた。
「酷いよね、ライアさんをこの本でも『蒼の剣士は裏切り者』って……」
「………ライアは裏切り者なんかじゃない、英雄だ。」
俺は、あるページ……ライアへの中層プレイヤー達が向ける怒りが書かれていたページを睨みながら言った。
生還した俺、スグを含めたいつものメンバーギルド疾風迅雷と風林火山はどこにも向けられない怒りと喪失感にあの日から追われていた。
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