終焉 -正義は英雄か、それとも影の英雄か-
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「「………?」」
「中層クラスを支えてくれてありがとう、俺なんかにも気を使ってくれてさ。」
俺は1人1人に向き直って思いを告げていく。
「リズ、シリカ、ストレア。」
「ライア(さん)……」
「2人には本当に感謝してる、アスナを頼む。」
「シノン。」
「………。」
「俺、思い出したから今まで辛い想いをさせてごめん。これからは自分の幸せのために生きて。」
「っ!?あおい……!」
シノンの涙は見たくない、その想いで彼女を抱きしめて最後の願いを伝えた。
「詩乃、ありがとう。君と幼馴染みになれて良かった、明日奈を頼む……。」
俺はシノンから離れて視線を変える。
「アスナ。」
俺は姿が変わってしまった愛剣を鞘に一度戻して、最愛の彼女に話しかける。
「何…ライくん…?」
「ごめん、約束守れなくて。」
「……っ!?」
「君は生きて、俺の分まで。」
俺は笑って言った。
一番彼女には笑っていて欲しかった、涙は見たくなかった。
「キリト。」
目の前で今も尚、黙り続ける相棒。
「お前に俺の命は託さないから。」
「っ!?」
「俺の罪は俺が……僕が償う。」
その言葉を言った瞬間、俺のHPが削れていく。
「!?」
キリトが絶望の顔で俺を見てくる。
「……ユニークスキルの代償だよ、こうなる言事は想像が付いてたからね。」
「あおくん、駄目……!」
アスナが俺に抱き着いてきた。
それでも俺のHPバーは削られていき、5本あった内の3本はもう無くなっていた。
「だめ、だめだよ……!君がいない世界なんて……!」
俺はアスナの頭を撫でながら、この世界に来る前のような口調で反論した。
「俺が死ななきゃ戻れないんだ、俺は終わらせたい。」
「でも、何で蒼が犠牲にならなきゃいけないのよ…!」
シノンが涙を流しながら訴えてくる。
──俺だって……生きていたいよ……。
そんな本音は言えるわけが無い。
だから、俺は嘘をつく。
「俺だけ犠牲になれば皆が還られるならいい事だよ、それにさ。」
HPバーはもう残っていなく、身体が薄くなり始めた。
「俺……もう……皆に剣を……握って……欲しくないんだ……。」
言葉は途切れ途切れにしか言えず、力を抜けばすぐに意識が飛びそうだった。
「ライア…逝くな………!」
キリトが手を伸ばして俺に訴えてくる、だがその手は届かない。
──これで最後になるのなら、俺は………
『皆とリアルで会いたかった。』
その言葉を言い終わると俺は視界からアスナや皆の姿が消え意識も遠ざかった。
《ゲームがクリアされま
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