SAO:tr5―ジョーカー―
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は譲れないものがある。
「でもそこは私とドウセツの」
「決定ってことね。それじゃあ先へ進みましょう」
「せめて最後まで話を聞いてからスルーして!」
先へ進もうとするドウセツは私の方へ振り返って、
「時間の無駄だから」
軽蔑する様な目線で言った後、私のことなど気にせずに真っ直ぐ歩き始めた。
…………。
ど、ドウセツって、時間の事を想ってあんな罵倒する様な事を言ったんだね。や、優しいなー……。
「……ハァ」
……気を取り直そう。
●
私とドウセツでしかできない変態連携技もとい『ジョーカー』と名付けてから、モンスターとは六回ほど遭遇したものの、ダメージを負うことなくあっさりと切り抜けられた。でもその分、精神的に疲労は『スイッチ』よりも蓄積されたけどね。ドウセツは相変わらず私の事を回避できるのが当たり前だと思って容赦なく強烈な抜刀技を繰り出してくるから主に私が疲れる羽目に合う。
でも、簡単に倒せることができるのは私が回避できたことではなく、ドウセツが強いというおかげでもある。二つ名である『鬼道雪』とつけられるくらいだけあって、その実力はトッププレイヤーの兄に劣らない実力。何よりもドウセツの武器は抜刀である。まるで音速の様な目で捉えることが不可能な一太刀の剣閃は強烈の一言に尽きるだろう。
そう思えば私はそんな強さを持っているドウセツと一緒に行動できるのは女神に愛されているかもしれない。いや、それが言い過ぎるか。でもドウセツってめっちゃ美人で可愛いから恵まれているのは間違いないのかもしれないね。
そんなことを何回も思いながら進んでいくと、徐々にだけどオブジェクトが重くなってきているのを感じ取れた。
これまでのこと、マップデータの空欄もあとわずか、そして私の直感からして、この先に待っているのは間違いなくフロアボスの扉前だろう。
そして歩いた先には予想通り、灰青色の巨大な二枚扉が立ち塞がった。この先はほぼ間違いなく七十四層のフロアボスが待ち構えているに違いない。
「や、やっと追いついた」
扉を見つけた数秒後に後方から兄とアスナが合流してきた。てっきりストロングスのこともあったし、『軍』のこともあったから私達よりも先に行っているかと思っていたら、意外と後方から追いかけてくるのがちょくちょくマップを見る時に確認が取れた。
さて、と……兄と合流したところでここまでの心境を聞いてみるとしますかね。
「兄、どうだった?」
「何が?」
「何がって……ここまでアスナと一緒にいてどうだったのって聞いているの」
なにせ、アスナと一日を過ごすだけでも一生分の幸運に恵まれたと言っても過言じゃないからね。男だった絶対にアスナのこと意識するはずだ。何故かデスゲームになってから異
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