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提督はBarにいる。
不幸お茶の会・定期総会その1
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お姉さんだ。そういうのは若い男をたぶらかすのに使っとけ」

「あら、私は提督にぞっこんだもの。他の男を口説く気なんて無いわよ?」

 わぁお、何とも情熱的だこと。

「オーバーヒートして、第三砲塔爆発させんなよ?」

「ちょっと、ひどくない!?」

 ニヤリと笑いながらからかうのも忘れない。それにムキになって反論できる所を見ると、どうやら機嫌は直ったらしいな。それに顔を真っ赤にしている陸奥の膨れっ面も、滅多に見られない可愛い表情だしな。こういう時に堪能しとかないと。

「ショート……ショートに浴衣」

「山城、後で髪を結うのを手伝って貰えるかしら」

「勿論です姉様!」

 ……何だか余計な情報が他の連中にも出回ったような気がしないでもないが。

「あら提督、ショートヘアの方がお好みなんですか?私もバッサリ切ろうかしら……」

「止めとけ翔鶴、お前はロングヘアーの方が似合う。それにそんなに綺麗な銀髪なんだから勿体ないだろう」

 浴衣姿にはショートの組み合わせがいいと言ったが、髪型が似合うかどうかは人それぞれだというのが俺の持論だ。前に加賀の奴がロングヘアーにしようかと言っていたのを必死で止めたりもした。艦娘が生まれた当初の髪型が、一番似合っているように感じるんだよな、どうしても。髪の長い奴がアップにしたりポニーテールにしたりしているのは気分転換にもなっていいと思うのだが、バッサリと切ってしまうのは勿体無く感じてしまうからな。

「そうですか?じゃあ長いままにしておきますから、今度の秘書艦の時にはまた梳いて下さいね?」

「またか?……まぁいいけどよ」

「提督、今のお話詳しく教えて頂けますか?」

 扶桑がこちらの会話を聞いていたらしい。しかも、目が笑ってない。

「あ〜……その日の秘書艦の奴にな?頼まれたら髪を梳いてやってるんだ。忙しくない時に、休憩時間にな」

 滅多に頼んで来る奴も居ないので殆どやる機会はないが、赤城や翔鶴はタイミングを見て毎回頼んで来る。金剛?アイツはわざわざ店の営業中でも寝る前には来てせがんで来るので、ほぼ日課と化しているし、そのついでに早霜も躊躇いがちに頼んで来るので、こっちもほぼ日課と化してるな。

「そ、そんな事を頼んだらして貰えたのね……不幸だわ」

 お決まりの台詞を吐いて、扶桑が落ち込んでしまった。
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