暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1773話
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「えーっと……あれ? うん?」

 目の前にある装置……塔の中で使えるのだろう転移装置に触れるも、何故か動く様子はない。
 あれ? 何でだ?
 2階の奥からは、あっさりと転移する事が出来た。
 だが、何故か今俺の目の前にある転移装置に触れても、特に何も起きない。
 いや、本当に何でだ?
 首を傾げるも、いつまでもこのままという訳にもいかない。
 今、塔の2階の奥では、ゆかりが1人で待っている筈だ。
 正確には炎獣もいるから、身の安全は心配しなくてもいいだろうが……ゆかりの場合はつい数日前までは一般人だった人物だ。
 それがダンジョンで1人だけになるというのは、色々と不味い。
 塔の中に現れる影も、1度に現れるのが1匹だけという事はない。
 それを考えると、やっぱり早めに迎えに行った方がいいのは事実だ。
 足下に影を作ると、そのまま身体を沈めていき……そうして次の瞬間には、ゆかりのすぐ側から姿を現す。

「きゃっ! ちょ、ちょっとアクセル?」
「どうやら無事だったみたいだな」
「それはそうだけど……何、どうかしたの? まさか、本当にこの転移装置はどこか危険な場所に繋がってたとか?」
「いや、エントランスにある装置に繋がっていた。……ただし、向こうからこっちに転移することは出来ないらしい。完全に一方通行だな」
「何それ? じゃあ、もしこの塔の中に入ったら、またこの階層からやらないといけないって事?」

 不満そうに告げるゆかり。
 まぁ、その気持ちは分からないでもない。
 ここが塔の形をしたダンジョンである以上、現在俺達が関わっているこの現象について何か重要な情報があるとしたら、パターン的にはこの塔の最上階となる。
 だが、この塔の中は空間的な歪みが存在している以上、具体的にどこまで階層があるのかというのは分からない。
 そして今回は宝箱を探したり、ゆかりに戦闘経験を積ませたりといった事をしたのでそれなりに時間が掛かった。
 だが、そういうのをなしにしても、この現象が続いている時間で塔の1階……いや、ダンジョンになっている2階から最上階まで行けるかと言われれば……答えは否だろう。
 まぁ、この現象の時だけ存在しているこの塔だ。この現象が終わった時に中にいればどうなるのかというのは、全く分からない。
 もしかしたら、この塔の中にいる間はこの現象が終わらないという可能性も、なきにしもあらずという奴だし。ただ……

「恐らくだけど、そこまで心配する必要はないと思う」
「何で?」
「こういうダンジョンのパターン的に考えれば、大抵何階かおきには一方通行じゃない転移装置とかがあってもおかしくないからな」
「何でそんな事が分かるの?」
「まぁ、この塔の事は分からないから確実にとは言えないけど、俺が知ってる限り
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