思惑のピース
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。すみません、まさか肉じゃがで死にかけるとは想定外でしたよ……』
「私も同感。当分は他人の作った料理は食べたくない……」
『ほんとにもう何なんですか、あの肉じゃがは……。あんなの食べたら寄生虫も死滅するに違いありませんよ。っていうか、シャロンと同化してから、一度もまともに眠れた日がありませんよ!? シャロンが夜を超すのは気絶がデフォなんですか!』
「朝っぱらから縁起でもないこと言わないでよ。こんなのが毎日続いたら、絶対体壊すって……」
『あぁ、何事もなく寝て起きられるのはとても幸せなことだと改めて強く実感しました。確かに私の時代では暗殺や夜襲なんて当たり前にあったので、熟睡は死に直結していると王族は全員幼少の頃から言い聞かされていましたが……』
「アサシンがそこら中にいたの!? どんだけ修羅の国なのさ、ベルカは……」
『将軍や王クラスは、拳一つで地形を軽く変えてきますよ。私のかつての部下だった将軍も故郷の村が水不足に悩んでた時、地下をぶん殴って地下水を噴出させてましたから』
「力づくか! ベルカには脳筋しかいないの!?」
『ある意味間違ってませんね。ぶっちゃけベルカは女子供に至るまで、アイアムスパルタンッ!! って叫んでてもおかしくないほどですから』
「アイアムベルカンッ!? そんな世界じゃ皆、猛獣を一人で狩ってようやく一人前だと思ってそう」
起きて早々こんな話をイクスとしている私だが、別にこの会話を不快には思っていない。むしろ過去を知れるという意味では、なかなか有意義な時間だと思ってる。ちなみに例の肉じゃがはシオンが冷凍庫にしまってくれてて、ケイオスはあれを調理した人に対してすさまじく殺気立ってたが、私が頑張ってなだめたらどうにか落ち着いてくれた。もしあのまま彼を放っておいたらどうなってたのやら……下手すればカチコミかけてたんじゃなかろうか?
とりあえず何とか体調が治ったことで今日着る服についてだけど、高級服は荷物運びに着るものではないと思い、昨日の内に修繕した私服を着た。ちなみにケイオスはエクスシア・ドレスを着てないことにちょっと残念そうな表情を一瞬だけ浮かべたが、あのドレスは今度時とタイミングを選んで着てあげようと思う。
そして準備を終えた私達は仕事場に向かうのだが、シオンは昨日と同じく診療所へ行ったのに対し、ケイオスはなぜか私と一緒についてきた。仕事の邪魔にならないようにフーちゃんを孤児院へ預けに行く道中にその理由を尋ねた所、「目を離すと不安」と言われた。私はそんな子供じゃない……。
「そういや最近孤児院はほとんど託児所扱いって昨日シオンが言ってたけど、どういうこと?」
「そのまんまの意味。下手に家に置いとくより、孤児院や学校に預けておいた方が安全だと考える親もいるっ
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