第五章 Over World
あたしは絶対認めない
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翼刀はある種の自信に満ちた顔で、映司の肩を叩く。
「魔女になったら、舜さんでも戻せないって、言ってました」
「でも・・・だからって!!」
「だけど・・・・あの人は「戻す方法はある」って、そう言ったんです!!」
グッ、と
拳を握り、語る翼刀。
彼に、彼らに救われた自分だからわかる。
彼等が救うと、救える言うのなら、それは必ず信頼できると。
「舜さん自身にできなくても、舜さんは突破口を見つけてます。だから、今はそれを信じましょう」
『失われたものすら取り戻すだろう』
その一言は、そう言うことだ。
蒔風は、救えるものは根こそぎ救う。
救えないモノを、救うとは言わない男だ。
それに、と翼刀は言葉をつづけ
「あれだけの人がいる「EARTH」で、救えない人が思いつきませんよ」
「・・・かな・・・」
そう言って、ひとまず立ち直る映司。
今は悲しみに暮れる時ではない。
脅威が、今も街に迫っている。
「行こう」
彼等が扉に手を掛ける。
戦いが、始まる。
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鹿目一家の避難する、市外の体育館。
いまだに彼女との連絡は取れず、言いようもない不安に詢子はイライラしながら館内の廊下をウロウロしていた。
もう時間は21時を回ろうとしている。
そろそろ災害が街に及ぶ時間だ。
「なんで繋がんないんだよ・・・この・・・あっ」
ドンッ!
携帯画面を睨みうろつく詢子が、前から来た人にぶつかってしまった。
すみません、と軽く頭を下げる詢子。
それに対し相手の男は、落ちた彼女の携帯を拾って手渡した。
「あ、ありがとうございます」
「いえ、こちらこそ・・・鹿目詢子、さんですね?」
「え・・・はい、そうですが・・・・・」
携帯を受け取ると、その男はいきなり詢子の名前を聞いてきた。
どうして知っているのかと、いつもなら警戒する彼女だが、状況が状況なだけにそこまで気が回ってない。
「いま避難している人を調べているんですが、御嬢さんがいないんですよね?」
「は、はい・・・・連絡も取れないで・・・・」
「大丈夫です、安心してください。ほかの施設に避難してると、今連絡がありましたよ」
「本当ですか!?」
「はい。ただ断線してしまったようで、向こうとの連絡は取れないんですが・・・・」
「いえ!!ありがとうございます!!はぁ〜、よかった・・・・」
ホッ、と胸を撫でおろし、安堵の表情を浮
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