第五章 Over World
もし、うまくいくならば
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感情のないというお前にそんなことをしようとしても無駄だろうよ。全く、合理的に考えればわかることだろう?訳が分からないね』
「・・・・・」
不気味だ。
声だけしかしないというのに、相手の姿がわかる気がした。
いや、何も顔や体つきがわかるという意味ではない。
ただ
この一対の目それぞれが、相手の両眼で射抜かれているかのような、そんな視線を感じるのだ。
『インキュベーダー。オレももう少しでそっちに行く。そこで会える時を、大いに楽しみにしているよ』
「・・・・君は、誰だい?」
『蒔風舜』
「・・・・・・・」
『ああ、本当に楽しみだ。君の破滅を、約束しよう』
「そんなことは」
『不可能?』
「そうさ」
『だから楽しみにしてるんじゃないか』
「・・・・・・」
無言。
それ以上、キュゥべえが語ることはなく、電話の相手も何も言わない。
そして、そのままキュゥべえは夜の闇に消えた。
それを見届け、翼刀が電話に話しかける。
「舜さん・・・倒せるんですか?」
『まぁな。算段はついてる』
「じゃあ、さやかちゃんも!!」
『いや、それは俺には救えない。それを救えるとしたら、一人しかいない』
「え・・・・」
蒔風は言う。
そこまでは自分でもすらも救えないと。
ならば、誰が救うというのか。
銀白の翼人は答える。
その言葉に、聞くだけで希望を感じさせる響きを携えて。
「彼女たちの運命を打ち破るのは、彼女たち自身に他ならない。もし、うまくいくならば―――――」
救えなかったその命すら、彼女たちは取り戻して見せるだろう。
to be continued
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