第五章 Over World
もし、うまくいくならば
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せたのだ。
起き上がろうとしたマミは、自分の手足がないことに絶望し、一気に魔女化した。
魔法少女は確かに、身体の破損を魔力で修復できるが、本人が死を意識してしまうともうそれは止まらない。
マミのソウルジェムが濁ったままだったのはそう言うことだ。
そこからさやかを絶望させることは容易だった。
翼刀や映司があれだけの影響を及ぼすとは思わなかったが、今となっては結果オーライだ。
より多くのエネルギーを集めることができた。
「君たちには感謝しているよ。これで一気に予定の三分の二までエネルギーが集まったんだからね」
「貴様という奴は・・・・人間を何だと思っているんだ!!!」
「別に・・・・まるでそれじゃあ僕は君たちを家畜同然に見ているようじゃないか。簡単なことじゃないかい?宇宙全体の未来と、地球人の少女数百分の一。天秤にかければ、どちらに傾くのかは明白じゃないか」
「テメェ・・・・」
だが、キュゥべえの言うことは最悪だが合理的だ。
確かに、その天秤ならば宇宙の方が重いだろう。
しかも宇宙そのものだけでなく、他の星の生命すらもひっくるめて考えるならば――――
「クソッ!!」
翼刀は頭を振って、その考えを捨てる。
そう。
いくらそうだとしても、その考えだけは許容できない。
否定しきれず、受け入れ難く・・・・
まるでこれでは、感情が邪魔をしているようじゃないか。
まるでこれでは、こいつの言うとおり本当に感情が無駄なものみたいじゃないか――――
『よう。お前がインキュベーダーか』
と、まだ会話を聞いていたのか、電話越しに蒔風が話しかけた。
その声にピクリとキュゥべえが反応し、頭をそちらに向ける。
『何とも高尚な話をありがたいんだが、ちょっとお話よろしいかな?』
「なんだい?君は誰だい?」
『そこの男の上司』
「そんな感じしませんけどね」
『だまらっしゃい。それが俺のいいとこでしょうが。っと、で』
「だからなんだい?」
『約束しよう、インキュベーダー。この星で君がまだ知らないことを、いずれ俺が教えてやると、な』
「僕の・・・・知らないことだって?」
キュゥべえが疑問の声を上げる。
それに対し、蒔風が芝居がかった口調で答える。
『お前は気づいていない。嗚呼、なんと悲劇的なことか・・・・』
「だから・・・・それはなんだというんだい?」
『・・・・プっ・・・いや失礼。まだ気づいていないのか?インキュベーダー。君のその変化を』
「僕の変化?・・・僕に変化はないよ。もしかして混乱させようとしているのかい?」
『いやいや、
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