第五章 Over World
もし、うまくいくならば
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ュゥべえが近づくのは危険すぎる。
あの後。
結界を張って「EARTH」に電話すると、ワンコールもしないうちに通信がつながった。
まるでこうなることがわかっていたかのように、それに出たのは蒔風だった。
「舜さん!?いえ、それよりも・・・」
『魔法少女が魔女になったか?』
「!?・・・・知って・・・たんですか・・・・」
蒔風の言葉は、すでにすべてを知っているかのような響きを含んでいた。
だが、直後に蒔風はこうも言う。
『翼刀。もしもお前に何もできなかったからって、自分を責めるな。俺にだってショウにだって、それはどうにもならない』
どうにもならない。
あの人たちをして救えないのならば、一体彼女たちを救えるものはなんだというのか。
「じゃあ・・・何もできないとわかって俺を送ったんですか!?」
『お前の目的はワルプルギスの夜だ。そこで魔法少女と出会い、関わったのはお前自身だ』
嫌に冷たい蒔風。
だが、言うことはわかるのだ。
そう。
自分の目的は、あくまでもワルプルギスの夜にさらわれた唯子の救出だ。
それまでの時間、彼女たちに関わろうと言ったのは他でもない自分自身なのだから。
今更それを否定する気もないし、後悔する気もない。
だが
「最初からそれを言ってくれれば、俺にだって・・・・・」
『お前にだって救えたか?最初からすべてを知っていれば、本当に彼女たちを救えたと?』
「だって・・・そうすれば・・・・」
『無理だ』
断言する蒔風。
確かに、思えばそうかもしれない。
マミがやられたとき、自分は手出しできる状態じゃなかった。
たとえ知っていたとして、自分があの場に手出しできたか・・・・
さらに、あの場にいなければさやかの魔法少女化は防げない。
そして、そうなってしまえばこの結果は避けられない。
そこで、最初の翼刀の言葉に繋がる。
「俺には・・・・なにも・・・・」
『関わった以上、目を背けるな。お前は最後まで彼女たちの希望になれる男なのだから』
「でも!!そのせいで彼女たちがより大きな絶望に堕ちるんですよ!?」
「そうだね。君は非常に厄介だったけど、その点では感謝しているよ」
「ッ・・・貴様・・・・!!」
そこに唐突に表れるキュゥべえ。
恐らくはまどかの元へと向かい、ほむらに妨害されたのだろう。
もっとも、今のまどかのもとに行って話を聞いてもらえるかどうかだが。
キュゥべえの脳裏に記憶がよみがえる。
昨日のあの時間。
マミの枕元に立ってソウルジェムに手を触れて意識を戻さ
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