第五章 Over World
全部なくなったわけじゃない
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り。あれは彼女たちの心の闇よ。ストレス、絶望、失望・・・・・そう言ったもので、ソウルジェムは濁っていく」
「だけど君はそれを消してしまう。魔女と戦い、絶望して行くはずの彼女たちの、それ以上の希望となってしまったんだ」
「は・・・・残念だったな」
「だけどそうでもない」
「それだけ上昇した希望なら、絶望に落ちた時の落差も大きい・・・違うかしら?」
「その通りさ」
「・・・・ちょっと待て。じゃあソウルジェムが濁りきったら魔法が使えなくなるというのは・・・・・」
「それは嘘じゃないよ。僕は言わないだけで、言う必要がないだけで、嘘はつかないからね」
「そうね・・・こいつが言うことに嘘はないわ。ただ、それは言い方が間違ってるわ」
「そうかい?」
「ええ。正確には「魔法が使えなくなる」のではなくて、「魔法が使える状態じゃなくなる」んですから」
「それは捉え方の違いさ。僕の言い方でも間違ってないだろう?」
「ちょっと待ってくれ。どういうことなんだ?ソウルジェムが濁ったら、彼女たちはどうなる!!」
「希望、願いを得て彼女たちは魔法少女になる。だったら、その反対に絶望を得た彼女たちは――――」
「ま・・・さか・・・・貴様は――――!!」
「いずれ魔「女」となる彼女たちなのだから、それは魔法「少女」と呼ぶのが――――もっともふさわしいと思わないかい?」
ヒュッ、ボバンッッ!!!
キュゥべえの頭が刃に貫かれて爆ぜる。
振るったのは翼刀。
一人の人間として虫唾の走る話に、我慢ならなかったのだろう。
それ以上しゃべるな、とでも言わんばかりの形相でキュゥべえだった肉体を睨み付ける。
しかし
「まったく。それで僕を殺せると思っているのかい?」
「なに・・・・」
ほむらと翼刀の背後から、再びインキュベーダーは現れた。
そしてさっきまで動いていた肉片の元へと飛び乗り、もしゃもしゃと食べ始めてしまったではないか。
「いくら数があるからって、無駄に壊すのはやめてくれないかい?もったいないじゃないか」
「こいつは・・・・いや、こいつらは・・・・」
「こいつらには個体、という概念がないのよ」
「失礼な。ちゃんと個体という認識はあるよ。ただ、僕には肉体のストックがあってね。何万年も続くかもしれないエネルギーの収集なんだ。肉体一つで来るわけがないだろう?」
「―――倒せない・・・?」
「そうだね。君たち人間に、僕を倒すことは事実上不可能だ」
「それでも、私たちはあなたに抗うわ」
「まったく・・・・・何もボクは人類を絶滅させたいわけ
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