第五章 Over World
全部なくなったわけじゃない
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丈夫だよ。二人とも」
庇われるさやか。
だが彼女は、その二人を抜けて、そっと前に躍り出た。
魔法少女へと姿を変え、剣を取り出して流水のような流れでそれをキュゥべえに真っ直ぐに向けた。
「私は負けない。こんな運命にも、身体にも、こいつにも!!確かに私は、人間じゃなくなっちゃったみたいだけど・・・・それでも、全部なくなったわけじゃないから!!」
「さやか・・・・」
「さやかちゃん・・・・」
「さやか・・・ちゃん・・・」
「映司さんがいる。翼刀さんもいる。杏子だって、あの転校生も。そして・・・・私には尊敬する先輩と、誰よりも大切な親友がいるんだ!!!あはは・・・・あたしってば、ほんとバカ・・・・こんな大切なもの、見落としてたんだから!!!」
さやかのソウルジェムが輝きを放つ。
目に活力が戻る。
身体に力がみなぎっていく。
そうだ。
自分はもう戻れないかもしれない。
でも、私はこの手で、まだ誰かを救うことができる
あの人たちみたいに!!
「やれやれ。やっとわかってくれたかい」
キュゥべえの言葉。
刃を向けられながらもそう言えるのは、解っていないからか。
キュゥべえに刃を向けたまま、さやかが冷笑を浮かべて握る手に力を込める。
「キュゥべえ・・・・確かに願いをかなえて、この体になったのは私自身のせい。でもね、私はあんたの言うように魔法「少女」・・・・そうですかと言い切れるほど――――大人じゃないんだよ!!」
ゴォッっ!!と、刃が空気を裂いてキュゥべえに迫る。
恐らくそれは額から侵入し、その白い体を引き裂くのだろう。
だが
「希望で魔法少女が生まれるなら、絶望したら何になるのか聞きたくはないのかい?」
「!?」
ビタッ、と
さやかの身体が固まる。
「・・・そ、それは―――――」
「君もわかっているはずだよね?あれだけの情報が与えられているんだ。君だってうすうす感じているはずさ」
「や、やめて――――私は・・・みんなを・・・」
「真実から目を逸らすのはやめにしないかい?君たちも言っていたじゃないか。隠し事はいけないってさ。だから、ちゃんということにするよ」
「皆を助けて・・・救い出して・・・・」
「魔法少女のソウルジェムが完全に濁れば、それがグリーフシードとなって魔女を生む。あの病院には巴マミがいた」
「ヤメロォ!!!」
翼刀の声が、公園に響く。
刃が飛来し、キュゥべえに迫る。
だが、それよりも早く、キュゥべえの声がさやかの鼓膜に届いた。
「さあ、その偉大な先輩だった魔女を倒したように、僕をその
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