第五章 Over World
それは違うよ
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生きてると思うんです!!どこかで、きっと!!』
『それは・・・・』
翼刀の口調は重かった。
どうやら彼らの中では、マミは死んでしまったことになっているらしい。
それは杏子も、ほむらも同じだった。
だが、自分はそうは思わない。
きっとどこかで、生きている。
マミさんがそう簡単にやられるもんか。
だから――――きっと――――
「嬉しそうだね、さやか」
「あ・・・キュゥべえ」
「今日はお疲れだったようだね。とても強い魔女だったらしいじゃないか」
「もう・・・重要な時にいないんだから!!あたしたちがどれだけ大変だったと・・・・」
「ごめんよ。でも、僕にもいろいろとやることがあってね」
「やること?」
部屋にいきなり現れたキュゥべえだが、この生物の神出鬼没なところは今更だ。
別段恥ずかしいものを見られているわけではないので、特に気にせず会話を続ける。
「そうさ。僕にも僕の目的があるのさ」
「目的・・・って、なに?」
キュゥべえの言葉に、当然ながら疑問を浮かべるさやかだが 、キュゥべえはそれに答えることなくベッドの脇に置いてあるソウルジェムの近くにぴょこんと飛び乗った。
「綺麗なままだね」
「うん?それはまあ翼刀さんのおかげで・・・・」
「いいことさ。君自身をきれいに保っておくことは、戦いを優位にし進めることになるんだから」
「え?・・・うん・・・・・・・」
キュゥべえの言葉に、少し違和感を感じながら、さやかが返事をする。
そして、その違和感に気付いた。
「私自身・・・・?」
キュゥべえは言った。
この宝石こそ、美樹さやか自身なのだと。
「ど、どういうこと?・・・あ、そっか!ソウルジェムは魔法少女の証、私自身だから―――」
取り繕うように言葉を綴るさやか。
どういうことかわからないが、本能が警鐘を鳴らしている。
『この先を知ってはならない』
だが、そんなことを知ってか知らずか。
目の前の白い獣は、呆れるように息を吐いてから呟いた。
「・・・・それは違うよ美樹さやか」
それは、あくまで事務的な音だった。
かわいらしいその声であるにもかかわらず、機械の駆動音を聞いているような感覚。
そして、真実は告げられる。
「このソウルジェムは、その輝きから濁りまで、一片の違いもなく、すべてが君自身なのさ」
to be continued
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