第五章 Over World
それは違うよ
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っていた。
よく見えないが、あそこに恭介もいる。
そう考えると、「自分は誰かを救える」という思いが、胸いっぱいに広がった。
そうしていると、頬を一滴の涙が伝った。
「あ・・・・れ・・・・」
「さやかちゃん・・・・」
「あ、あはは、なんでだろうね。なんで涙が・・・」
「だって・・・だって・・・・」
さやかか振り返ると、そこには目に涙を溜めたまどかが。
戦いが終わり、一気に静かな世界に戻ってきた彼女たち。
胸に残ったのは、仇を討てた爽快感ではなく、大切なものを失った虚しさだけだった。
「マミさんが・・・死んじゃって・・・・」
「う・・・ぐ・・・・うぇぇえええええええ・・・・」
そして二人は泣いた。
恐らく、そのまま座り込んで泣き崩れるほどに泣いた。
だが、それでも二人は抱きしめあい、互いを支えて泣きじゃくった。
一人ならくじけてしまいそうだったが、誰かがいれば支え合える。
失ったものは大きい。
だけど
沈んでいく太陽が、オレンジから薄くなっていって黄色に輝く。
まるで、その人の死を表すかのように。
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「はぁ・・・・・」
その晩。
美樹さやかは帰宅して重い溜息をついた。
今日はいろいろなことがありすぎた。
強大な魔女。
偉大な先輩の死。
そして――――
「あっ」
恭介への告白もあった。
こんな大事なこと・・・と思ったさやかだが、他にあったことを考えると、また涙があふれてきてしまう。
だけど
(こんなんじゃマミさんに笑われちゃう・・・・私はみんなを助けられる。マミさんとか翼刀さんみたいにならなくても、できることをやればいい)
パンパン!と頬を叩いて、気合を入れ直すさやか。
ふと携帯を見ると、メールが数件入っていた。
それは翼刀やまどか、さらにはあって間もない映司からの励ましのメールだった。
携帯画面を下にスクロールし、最後のメールを見る。
それは、恭介からのメールだった。
『明日、待ってるからね』
「・・・・・・」
不謹慎かもしれない。
マミさんが死んで、それでもこんなメール一件で笑っちゃう私は。
でも、良く考えてみればあのベッドはきれいだった。
血の一滴もないのだ。魔女に襲われて、そんなことがあるのだろうか?
病院から出た時、それが気になって翼刀に聞いてきたら
『・・・・そう・・・かもな・・・でも・・・』
『私!マミさんはまだ
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