暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第五章 Over World
私、ずっと見てきたもん
[1/8]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


その日、話は唐突に始まった。


「私、恭介さんのことお慕いしてましたの」

「え?」

開口一番、そう言われた。
相手はまどか、さやか共通の親友である志筑仁美。

放課後に話があると言われ、二人きりがいいとのことなので、いつものカフェに入った。

そして、間髪いれずに本題に入ってきたのだった。


「お、お慕いって・・・好きってこと?」

「ええ」

「あ、あはは!!あいつも隅に置けないねぇ・・・・」

「お二人は幼馴染なんですよね?」

「まあ・・・・腐れ縁っていうか・・・」


私は必死に、本心から目をそらす。
だけど仁美は、それを糾弾するかのように話を進めていく。


「本当にそれだけですか?」

「え、えっと・・・私は」

「本当の気持ち、ありますよね?」

「・・・・・」


意識したことなんてなかった。
一緒にいるだけで楽しかったし、十分だったから、好きだとかそういう感情が分からない。

昔から一緒だった奴だし、苦しそうだったから、辛そうだったからお見舞いもしたし、励ましもした。


でも、こう言われると自信がない。

私は、恭介のことが好きなのか。
それとも、、昔からの間柄、単なる友情なのか。



そう考え始めると、次第に心苦しくなってきた。

「それが恋だよ」なんていう苦しさじゃない。

答えがわからない。道筋も出ない。
身体中を縛られるような、身動きの取れない息苦しさだ。


首から下が、まったく別の物質になったようだった。


そうして悩ませている私を見て、今は答えが出ないのと納得したのだろう。
仁美は立ち上がって、言葉を懸けてきた。


「急な話ですみませんでした。でも、さやかさんは私の大切なお友達。だから、抜け駆けはしたくなかったんです」

「・・・・・」

「私、明日の放課後に告白するつもりです。それまでに、決めてください。告白するか、どうかを」


そう言って仁美は店から出て行った。

残されたのは、私一人で。
その私はというと、一言も返すこともできず。

その役目を持っていた口は、その機能を忘れたかのように開いたままで静止していた。




------------------------------------------------------------




「で、それで俺たちが唖然としていたさやかちゃんを見つけて、今に至ると」

「ど、どどどどうしようまどかぁ、翼刀さぁ〜ん!!!」

「「どうしようと言われても・・・・・」」


その数分後、さっきまで仁美が座っていた席には翼刀とまどかが座っていた。
パトロールで偶
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ