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世界をめぐる、銀白の翼
第五章 Over World
私、ずっと見てきたもん
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「これは・・・・!!」

遠く。
街を見回っていた杏子が、邪悪な気配を感じてソウルジェムを見る。

魔女だ。
方向は―――

「病院の方か・・・!!」

「もしかして魔女か!?」

「あんたはくんな!!」

バシュゥ!!


魔女の気配を感じ取り、病院の方へと疾走する杏子。
その後を映司も、ライドベンダーを起動させて後を追う。

「来んなって・・・」

「足はあった方がいいでしょ?それに、急ぐならこっちの方がいい」

「・・・チッ!!」

トスッ


「病院だ。急ぎな」

「あぁ!!」

ヴォン!!


しゃがみ込むようにして、後部座席に乗る杏子。
向かう先は、見滝原総合病院だ。



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「あたし・・・」


ドンッッ!!ジリリリリリリリリリリリ!!!


「きゃぁ!?」

「な、なんだ!?」


見滝原総合病院。
そのリハビリ室。

いまにもさやかが口を開いて、次の言葉を紡ごうとした瞬間、爆発と警報が鳴り響いた。

そして病院内が騒然とし、医師や看護士が患者を外に運び出し始める。


「な、なにが・・・」

「さやかちゃん!!」

「まどか!!それに翼刀さん!!」


いきなりのことに事情が呑み込めていないさやかのもとに、部屋の外にいた二人が駆けよってきた。
恭介には聞こえないよう、耳元でそっと告げる。


「魔女だ」

「え!?・・・そ、そういえばマミさんが病院とかは格好の餌食だって・・・!!」


翼刀からの一言に、顔が一気に引き締まるさやか。

そして、恭介の方を見る。
今のこの状況がよくわかっていない彼は、早くここから避難しようとする。
さやかの方を見て、早く避難しようと促しているようだ。

やってきたまどかも翼刀も知り合いだ。
きっと助けに来てくれたのだろう。


だが彼女の使命感は、ここから逃げるという選択肢を塗りつぶした。



そう。
私の魔法は、誰かを救うために生まれた。

私は誰かを助けたい。
その未来に向かって紡ぎたい。
そのきっかけになりたい。



マミさんも、そして恭介も。私は助けることができた。
そして、もっと多くの人たちを、助けるだけの可能性があるのなら―――――!!




「恭介、ごめん」

「え?」

立ち上がったさやかは、恭介をギュッ、と抱きしめてから離れる。
そして、まっすぐな瞳で見つめながら言った。



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