第五章 Over World
私、ずっと見てきたもん
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
・?」
そう言われると、悪い気はしない。
同時に、頭をよぎったのはマミのことだ。
(そう言えば、マミさんもこの病院にいるんだよなぁ)
まだ体は治ってないのか、翼刀はからの話は一切ない。
ともあれそう言われると、私は結構命を救っているのかもしれない。
命、というほどではなくても、その人の未来に希望を与えられた。
もし、誰かの何かのきっかけに、私という希望があったのなら。
それはとても、心弾むことだ。
とても嬉しい。
勇気が湧く。
そして、私は―――――
「さやか」
「ふえっ?」
ポーッ、としているさやかに、恭介が顔を覗き込んできた。
ハッ!として驚くさやか。
「か、顔近ァッ!?」
「わ、ごめ」
「「あたっ!!」」
そして、二人はおでこをぶつけてバランスを崩してしまった。
さやかは何とか立て直すが、恭介はヨロリと倒れて行ってしまう。
その恭介に手を伸ばし、結局引っ張られてさやかも倒れてしまった。
「いたた・・・」
「さ、さやか、大丈夫?」
「う、うん大丈・・・・夫・・・・」
「うわ・・・・・」
途中で恭介を庇ったので、下で仰向けになるさやか。そして覆いかぶさる恭介。
一瞬二人の思考が停止し、顔が真っ赤になる。
「翼刀さん翼刀さん!!あれいっちゃうんですか?言っちゃうんですかぁ!?」
「こらまどかちゃん、それ以上前に出たらバレる・・・・」
「も、もうちょっとだけ・・・・」
「あ、ご、ごめんさやか!!」
「いや、うん・・・恭介・・・」
その場で座り込んで背中を向けてしまう二人。
さやかがちらりと振り合えると、そこにはゴニョゴニョと言い訳する恭介。
その光景を見て、さやかがフッ、と軽く微笑んだ。
そして目を閉じ、一言声をかけた。
「恭介」
「え・・・な、なに?」
「わたし・・・・」
------------------------------------------------------------
さあ、そろそろ時間だね。
役者もそろったし、彼女たちの幸福度もいい感じだ。
この街での回収はもうだめだと思ってたけど、うまくいけばここで・・・・
そうして、白い獣が枕元に降り立つ。
そこにあったのは、黒く濁った黄色い宝石―――ソウルジェム。
そこに手を当て、一言。
開幕を宣言するかのように、動かぬ口でそれを発した。
「起きるんだ。巴マミ」
----------------------------------------
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ