第五章 Over World
私、ずっと見てきたもん
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然店の前を通り、さやかを見つけたそうだ。
「う〜ん・・・俺としては特に言うことはないなぁ」
「私もさすがに口出しできないよ・・・・」
「そんなぁ!」
うぐ〜、とテーブルにへばりつくさやか。
まあ確かに、どうにかしてくれと言われてもこればっかりは当事者たち本人の問題だ。
「告っちゃえよ」
「で、でも・・・本当に好きなのか分からないんですよ。いや、好きは好きなんですけど、恋愛感情なのか分からないから・・・・」
「それに仁美ちゃんならいいかも、って?」
「知らない奴だったらともかく、相手が仁美だからなんか遠慮しちゃうってものありますし・・・・」
もじもじと言葉を濁らせていくさやか。
本当にはっきりとわからないらしく、困惑した様子だ。
普通なら「じゃあ好きなのかな?」と言ってしまいそうなものなのだが、さやかという人間はあいまいな状態じゃ納得できない節がある。
ちゃんとそれが「異性として好き」なのか「友だちとして好き」なのかが分からないと、その先が不安すぎて踏み出せない子なのだ。
「さやかちゃん、それでもやっぱりさやかちゃんは上条君のことが好きなんだと思うよ?」
「そ、そうなのかなぁ・・・・」
「だって、そうじゃなきゃあんなにお見舞いなんてしないよ!!」
「でも友だちなら・・・・」
「私、ずっと見てきたもん。さやかちゃんが上条君にお見舞いのCD選んでるところ。病院に入って行くところ。その時のさやかちゃんの顔見てれば、誰だってわかるよ!!」
「まどか・・・・」
「だから、勇気を出して言ってみよう?何もしないで後悔するより、ずっとずっといいと思うんだ」
「・・・そう・・・だよね・・・・うん。私決めた。恭介と話してみる」
まどかの言葉に背中を押され、とにかく話してみると決意するさやか。
好きかどうかは、今は置いておく。
でも、この気持ちに向き合うために、恭介とはちゃんと話をしないといけない。
それを眺めていた翼刀とは言うと・・・・・
「クソッ、これ以上入れたら溢れてしまうぞ・・・・・」
プラスチックカップのカフェモカに、がんばってシロップを入れていた。
「な、何してるんですか翼刀さん」
「甘味が足りない」
「アホじゃないんですか!?」
「アホとはなんだ!!見ろ!この表面張力!!こんな芸当がアホにできるか!!」
「やっぱアホだ・・・・」
ともあれ、アホなことをしていた翼刀を静め、本題に戻る。
「じゃあ今から病院?」
「うん。まだ恭介、リハビリで通ってるはずだし、この時間ならまだギリギリいると思う」
病院まではそう
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