第五章 Over World
これが俺たちの出会いだね
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関わったらしいのだ。
「フン!腐れ縁さね。この街に来て、やっとコイツともおさらばと思ってたんだけどね」
「あれ?言ってなかったっけ?俺の目的地、見滝原だよ?」
「聞いてないっての!!」
イライラしながら立ち上がる杏子。
机の上に出されたお菓子を一掴み取り、そのまま玄関の方へと向かって行く。
「どこに行くの?」
「この街の寝床を見つけないといけないんでね。それに、じゃれ合うのは好きじゃないんだ」
ジャキン―――
そこまで言って、杏子が槍を出現させて一同に向ける。
その瞳にはすでに、明確な敵意があった。
「あんたら二人も魔法少女なんだってね?」
「ええ」
「そうよ・・・だからなに!?」
「この街の魔女はあたしがもらう。死にたくなきゃ、早く出ていくんだね」
明らかな縄張り宣言。
ほむらは「そう」と軽く流すが、さやかは今にも突っかかりそうな勢いだ。
もともと最初から「縄張り」なんて意識はなかったが、こういわれると無性に渡したくなくなってくるのが人の性だ。
拳を握りしめるさやか。
が、それを思い切り握りしめると、飛び出してきそうな言葉を飲みこんだ。
代わりに、静かな声で聞く。
「あんた・・・・一人で戦う気?」
「言ったろ。じゃれるのは好きじゃないってね。あんたもそうだよ、エージ」
「映司だよ」
「知らないよ。とにかく、これ以上あたしの邪魔をする気なら、次に会った時には殺す」
部屋の温度が、下がった気がした。
それは、ほむらとさやかに臨戦態勢を取らせるほどに。
まどかは目の前の光景に怯え、映司はそれを庇いように膝立ちになる。
もしも、ほんの少しのきっかけさえあれば、この場で戦いに発展する程の緊張――――
「おーい!!翼刀スペシャルココアが出来たぞー!」
そこに翼刀がやってきた。
いつの間にか別の部屋にいたのだろうか、この空気に置いてけぼりだ。
「ありィ?」と盆に6つのマグカップを持ち、首だけをクリン、と捻る翼刀。
女の子だったらかわいい仕草だっただろう。
ちなみに、翼刀が出てきた部屋からはむせ返るほどの甘いにおいがしてきていた。
何ですかあれは、魔女の工房ですか?と言われてしまうほどの。
中は真っ暗で見えない。本当にどうなってるんだ。
ピシャン、と襖を閉じ、マグカップを並べていく翼刀。
「どうしたんだ?立ち上がって」
翼刀からすれば、沸点の低かったり、暴れ出す女子の扱いはもう慣れたものだ。
槍を出していることなど、お構いなしなのだろう。立ち上がっている杏子にも「ほい」とマグカップを差し出す。
杏子は杏子で「食
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