第五章 Over World
・・・・・・・あれ?
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ン生地に手を当て、グッグッ、と捏ねはじめた。
(ほぉ・・・ちゃんと腰使ってやがる。なかなかできるみてぇじゃねーか)
それを見て、秋生もまあ戦力にはなるだろうと納得する。
そも、彼が娘の推薦した人物をそこまで疑うわけもないのだが。
「どうだ?」
「力の入れ方はいい。だがこれだと・・・・」
そう言って秋生が生地を千切って一つ摘み、少し擦った。
「捏ねすぎたな。これだと膨らまないで硬いパンになっちまう」
「な・・・・・これでもかなり優しく捏ねたぞ・・・・」
改めて難しさを体感するショウ。
一方
シュオォォォォォォォォ――――――!!!
「いい感じですね〜。これは新しいパンになります♪」
早苗が作業をしている方から、変な音と楽しそうな声が聞こえてきた。
何事かとショウは振り向こうとするが、秋生がその頭を捕まえて止める。
“最初に言ったことを覚えてるなら止めろ”
無言で目がそう訴えかけていた。
「Yes,Sir」
「よろしい」
そうして、再びこね始めるショウ。
次も失敗してしまう彼だが、三度目にして成功し、多くのパン生地を作り上げた。
「もう6時か・・・・」
「オラ。ボケッとしてないでできたパン、店に並べんぞ」
「もうできたのか・・・・?っと!?」
振り返ると、そこには多くのパンが。
自分が作った物ではない。
となれば、秋生が作ったのだろう。
ショウに指導しながら、これだけの物を作り焼いたのだ。
店に並べると、二人の割合は7:3。
当然、多いのは秋生の方だ。
「本職には負けるか・・・・・」
「こんだけ並べられれば十分だっての」
そうして、太陽が本格的に活動を始めた。
そろそろ梅雨時期だ。
雨の方が多くなり、紫陽花の似合う季節である。
「ン―――――ッ!!」
店の前に出て、背伸びして声を切らすショウ。
パック牛乳も、こうして飲むとオツなものだ。
ポン
「足りないぜ」
「ん?牛乳は120円だったはずだが」
「480円」
「嘘つけ!!」
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【蒔風の朝】
「・・・・・8時か・・・」
ボフッ
「あと30分・・・・・」
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【アリスの朝】
「皆さんついてきてますかー?」
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