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世界をめぐる、銀白の翼
第五章 Over World
ま、心配はいらないと思う
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「EARTH」

そこは世間一般には名前こそ知られているが、あまり実体の掴まれていない機関である。
その存在は公になっているにも関わらず、都市伝説じみた話題には事欠かない。

曰く、いろいろと世界の危機を救っているらしい

曰く、どんな小さな事件でも取り扱ってくれる物好き機関である

曰く、相手がどんな言い分でも「気にくわない」ならばブチのめす

曰く、あのラピュタを三人で落とした機関である

曰く、時空管理局とは大きな関わりがあるらしい

曰く、治安機関のように見えて、その実トップの友達集団に過ぎない

曰く、世界が結合した真実が隠されている

曰く、その気になれば支配者にもなれる機関である

果たしてその実態は―――――!!!




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「ってちょっと!?こんなこと書かれてますよ!?」

「何一つ否定しきれないしな」

「あぁ全くだ」


バッサバッサと週刊誌を手に荒ぶるアリスに、落ち着いた様子の「EARTH」2トップ。


時期は戻って、今はワルプルギスの夜の襲撃―――すなわち、唯子が攫われた日の翌日の午前。
ちょうど今頃、見滝原では翼刀が街に着いて荷崩しをしているところだ。


「これでいらない噂でも立ったらどうするんですか!?」

「でも騒ぎ立てようもないだろ。特に税金使ってるわけじゃないし」

「あー、でも新しい戦艦欲しいかも」

「ロマンだからか?」

「浪漫だから」

「浪漫だからじゃしょうがないな」


「「ちょうだい」」


「そこのバカ二人はだまらっしゃい!!というかあんなものポンポン出せますか!!!」

「え・・・・こんなビルをポンと出したくせに・・・・?」

「これは結合直後だったからその隙にやっただけです。その後は安定してるから・・・・・」


「そうだ!!俺の中の世界も安定しちまって、もう世界を元に戻すこともできない!!」

「アリスひっでぇ!!ショウの傷口を抉るなんて!!」

「こいつらは――――いいでしょう。では最初にできなかった追いかけっこを今始めますか!?」

ガシャッ、チャキッ。
シュイン、スッ、ザザザ。
ゴゥンゴゥンゴゥンゴゥン・・・・・ゲポーン!!


「止めとく。というか何を準備してるんだあんたは」

「とてもじゃないけど病室という空間内で準備できるものの音じゃないよな」

「はぁ、なんでそんな落ち着いてるんですか・・・・」


「だって逃げなきゃ追わないだろ」

「そして俺たちはそんだけの体力はない」


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