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世界をめぐる、銀白の翼
第五章 Over World
それで十分、助けられちゃた
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―現実は無情であるってか!?ふざけんな!!)


であるならば。
それ以外の行動を、咄嗟の判断で実行するしかない。


「ここで死ねるかァ!!」



翼刀が腕を放した。
それは同時に顎の上下が組み合うことを意味している。


迫る歯/刃。
その鋭さは、一噛みで翼刀を二分割してくれるだろう。

だが、接触した瞬間。
その一瞬は「まだ」斬れていない。


(刃の接触は一瞬!!!その一瞬で――――)



刃が降り―――

―――拳を握り


噛み千切らんと襲い掛かり―――

―――迫る刃へと、腕を延ばし



そして、その二つが接触した瞬間



「不動!!」

ビギッッ、バンッッ!!!

「キュァアアアアアア!!!」


翼刀の拳が、刃を砕いた。

だがタイミングは完璧ではなかった。
右拳からは血が流れ、うっすらと血が流れ出ている。



しかし、現状の危機は脱した。

歯を砕かれた激痛か、はたまた砕かれたことへの怒りか。
いづれにせよ、魔女は壁への突進をやめ、大きく頭を振った。

その勢いで口内から飛び出していく翼刀。


宙で反転し、その手にヴァルクヴェインを再顕現させる。

そしてそれを壁に突き刺し、足場にして立つ。


(あのストック、何個ある?―――何か特殊な手順じゃないといけないなら、俺だけじゃ無理だぞ!?)



コツン、と右拳を剣に当て、その傷を癒す翼刀。

再び首が迫ってくるも、それを飛び降りながら切り落とし、着地する。

だがだめだ。
新しい首が再び現れ、その攻撃を無為の物にしてしまう。




着地した翼刀に、魔女は一切のタイミングを与えず突っ込んできた。

「ッ!!クソ・・・・」


振り返ると、敵が迫ってくる。
この状況を見て、間に合うかどうかを翼刀は瞬時に計算した。

正確には計算、というよりは直感になるが、この際どっちでもいい。



(ギリギリッッ!!)

剣を振りあげ、刃の盾を作り出そうとする翼刀。

だが、その構成は完璧ではなく、所々に隙間ができている。
そしてそれを埋めるよりも早く、魔女は翼刀へと到達――――



「伏せなさい」

しなかった。




ドドドドンドンドンッッ!!!

声と共に魔女の下腹部が爆発し、その体が宙に浮く。
咄嗟に伏せた翼刀の頭上を、未完成の壁を崩しながら魔女が突っ込んでいって地面へと倒れ伏した。



「な・・・・・?」

「危なかったわね」

「お」


フワリと
翼刀の隣に、暁美ほむらが立っていた。

パンパンと膝をはたき、翼刀が立ち上が
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