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世界をめぐる、銀白の翼
第五章 Over World
そうだな、いいことだもんな
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ジェムを浄化する便利なものだが、吸いすぎると魔女へ孵化してしまう厄介な代物なのである。

このままだと数分で魔女へと変貌するそうだ。


それを確認し、翼刀がマミに電話を入れる。
すぐこちらに向かうそうだが、15分はかかってしまうらしい。


「マズイね。病院に巣食った魔女はものすごく厄介だ」

「そういえば・・・入院患者の心の隙間に入り込んで絶望や悲しみを・・・だっけ?」

「その通り。このままだと入院している人たちに被害が出るかもしれないね」

「そんな!!ここにはまだ恭介もいるのに!?」



病院を見上げ、驚愕するさやか。
せっかく治ったのに、そんなのはあんまりだ。

「翼刀さん!!」

翼刀の方を向き直り、勇ましく声を上げるさやか。
翼刀も少し考えてから頷き、マミにメールを入れた。


「マミちゃんには連絡した。先に入ってよう。ちょっとほっとけないみたいだからな」

「「はい!!」」

「待つんだ。結界は僕たちが入り込むと姿を隠してしまう。マミにどうやって位置を知らせるつもりだい?」


さあ行こう!というところでキュゥべえの忠告。
何ともまあ、いいところで口をはさむのがうまい奴である。


その質問に、翼刀は「え?」という顔をしてさやかたちを見る。
まどかはともかく、さやかの顔は行く気満々である。

その光景に唖然としてしまいながらも、手のひらを出して止める。


「二人はここで待っててくれたまへ」

「え?」

「そんな・・・・私にもいかせてください!!」

「そりゃ―――行きたい気持ちはわかる。守ってやりたいんだよな?でもここで君が命を懸けてどうする。それに結界が姿を隠すなら、誰かがここだと残っていないと解らなくなるだろ?」

「そうですけど・・・・」

「そも君たちはそう関わる必要もないだろう。まあ俺たちを信じて、ここは待っててくれないか?」

「・・・わかり・・・ました」

「サンキュー」



そう言って翼刀が二人を押して後退させる。

そして元の場所に戻ると、グリーフシードが砕けて消え、翼刀の身体は結界の中に飲みこまれていった。



「はぁーあ、あたしたちはお荷物かァ」

「仕方ないよ・・・ここでマミさんを待とう?」

「まーしょうがないね。ここでしっかり、マミさんを待ちますか」

「・・・・・さやかちゃん」

「なに?」

「あのグリーフシード、翼刀さんなら孵化する前に砕けたんじゃないかな?」

「あ」



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「二人とも!!」
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