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世界をめぐる、銀白の翼
第五章 Over World
そうだな、いいことだもんな
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し出す。
マミよりかは幾分か効率がいい。


そうして百貨店には何もないことがわかり、そこから離れて行こうとすると、見慣れた後姿を見つけた。


「おーい」

「? あ、翼刀さん!」

「翼刀さんはこっちの見回りなんですか?」

「まあね。CD?」

「あ、はい」

「知り合いの男の子のお見舞いなんです」

「お見舞い?入院?」

「はい」


歩きながら聞くと、さやかの幼馴染である上条恭介という少年が入院しているそうだ。
その少年にクラシック音楽のCDを、お見舞いの度にプレゼントしているそうだ。


「好きなん?」

「ごブァッ!?」

「さやかちゃん!!」


その話を聞いて、翼刀がズバッ!!と聞いてきた。
ストレートすぎる。

さやかは翼刀が買ってくれたジュースを思い切り噴き出してしまう始末。


「ゲホッ、ゲホッ!!な、そ、そそソンナことNAいデスYOU!!」

「落ち着いてさやかちゃん!!」

「俺が悪かった。ほら、鼻からジュース出てる」

「うわぁ・・・・」


テンパるさやか。
落ち着かせようとするまどか。
ハンカチを出す翼刀。
引くまどか。


「フゥ・・・まどか、最後ガチで引いてなかった?」

「ううん。たださやかちゃんの女子力が70は下がったなって」

「ひどっ!?」


その後の話だと、その上条君は事故にあって大けがをしたのだそうだ。
その後遺症で、たとえリハビリして回復しても、前のように手足を動かすことは出来ないらしい。

依然は天才バイオリニストと言われるほどだった彼からすれば、それは死刑宣告に等しい。

そんな彼を励ます為、こうしてさやかは通っているらしい。


「やっぱ惚れてんじゃん」

「ぶフッ!!」

「翼刀さん!!」

「だってまるで通い妻だし!!」

「ヒャァアッ!?」

「翼刀さん・・・?」

「あ、ごめんなさい」


それがわかってからの翼刀のさやかいじり。
まどかが怖い顔をして止めるまでそれは続いた。


・・・・結界探しどうした。





「恭介、バイオリン一筋だったんですけど、怪我で前みたいには弾けないって・・・・」

「そんなに大変な怪我なのか?」

「怪我自体は治ってるんですけど、そのせいでリハビリにも積極的にならなくて・・・・」

「へぇ。治らないの?」

「今の医療じゃ、事故前みたいに治せるなんて奇蹟か魔法かって・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・・」

「ヴァルクヴェイン、使う?」

「使う」



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