第五章 Over World
そうだな、いいことだもんな
[4/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
し出す。
マミよりかは幾分か効率がいい。
そうして百貨店には何もないことがわかり、そこから離れて行こうとすると、見慣れた後姿を見つけた。
「おーい」
「? あ、翼刀さん!」
「翼刀さんはこっちの見回りなんですか?」
「まあね。CD?」
「あ、はい」
「知り合いの男の子のお見舞いなんです」
「お見舞い?入院?」
「はい」
歩きながら聞くと、さやかの幼馴染である上条恭介という少年が入院しているそうだ。
その少年にクラシック音楽のCDを、お見舞いの度にプレゼントしているそうだ。
「好きなん?」
「ごブァッ!?」
「さやかちゃん!!」
その話を聞いて、翼刀がズバッ!!と聞いてきた。
ストレートすぎる。
さやかは翼刀が買ってくれたジュースを思い切り噴き出してしまう始末。
「ゲホッ、ゲホッ!!な、そ、そそソンナことNAいデスYOU!!」
「落ち着いてさやかちゃん!!」
「俺が悪かった。ほら、鼻からジュース出てる」
「うわぁ・・・・」
テンパるさやか。
落ち着かせようとするまどか。
ハンカチを出す翼刀。
引くまどか。
「フゥ・・・まどか、最後ガチで引いてなかった?」
「ううん。たださやかちゃんの女子力が70は下がったなって」
「ひどっ!?」
その後の話だと、その上条君は事故にあって大けがをしたのだそうだ。
その後遺症で、たとえリハビリして回復しても、前のように手足を動かすことは出来ないらしい。
依然は天才バイオリニストと言われるほどだった彼からすれば、それは死刑宣告に等しい。
そんな彼を励ます為、こうしてさやかは通っているらしい。
「やっぱ惚れてんじゃん」
「ぶフッ!!」
「翼刀さん!!」
「だってまるで通い妻だし!!」
「ヒャァアッ!?」
「翼刀さん・・・?」
「あ、ごめんなさい」
それがわかってからの翼刀のさやかいじり。
まどかが怖い顔をして止めるまでそれは続いた。
・・・・結界探しどうした。
「恭介、バイオリン一筋だったんですけど、怪我で前みたいには弾けないって・・・・」
「そんなに大変な怪我なのか?」
「怪我自体は治ってるんですけど、そのせいでリハビリにも積極的にならなくて・・・・」
「へぇ。治らないの?」
「今の医療じゃ、事故前みたいに治せるなんて奇蹟か魔法かって・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・」
「ヴァルクヴェイン、使う?」
「使う」
--------------------------------
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ