第二十八話
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うだ。
「全く、注意しに行ったらいいじゃねえかよ。確か、お前と時雨の隣の部屋って…………………。」
………………………………。
「夕立じゃねえか…………。」
あぁ、はい。さいですか。
ゆうべはおたのしみでしたか。
多分、春雨のことだろう、聞こえないように意識したら余計に耳を傾けちゃったんだろうな。純粋な娘だし。
「………俺はその件に関しては何も聞かないでおこう。ただ、一つだけ教えてくれ。」
俺は少し気になったことを聞いた。
「時雨は寝ていたのか?」
これに春雨は、机に再び突っ伏しながら答えた。
「はい……熟睡してました………。『大丈夫、雨はいつか止むさ。』って言ってました………。」
時雨よ。雨って文字には、何かルビがあるんじゃないかい?
しかも、この春雨の様子だと止んでねぇし。
雷付きの豪雨だよ。
「……………くー、くー。」
そんなことを考えていたら、春雨は寝てしまったらしい。流石に眠気が恥ずかしさに勝ったらしい。
「あーあー………今日も訓練あんのになぁ……。」
さて、どうしようかと春雨を見ていたら。
「あ、春雨ちゃん寝ちゃった?」
カウンターの向こうから間宮さんが話しかけてきた。どうやらゆで卵を大量に作っているらしい。(卵大好きな俺としては夢のような光景だ。)
「あ、はい。どうしようか迷ってて。」
「ま、そこで寝かしといてあげなさいな。机で寝るなんて、学校以来なんじゃない?」
確かに、俺も授業中とか爆睡してたけどさ、あんまり机で寝るのは好きじゃない。
「うーん、机で寝ると後々キツいですからね………身体バッキバキになりますよ?」
すると間宮さんは、
「もう、艦娘なんだから直ぐに直るわよ。二号君も経験あるでしょ?」
笑いながらこう言った。
「………。」
確かにそれもそうだ。俺たちの身体は異常なほど回復早いからな……なかなか直らないのは、深海棲艦からの攻撃でできたケガくらいだ。
ま、それもドッグに入りゃあ直るからな。治るんじゃない。直るんだ。
「それじゃ、今日これから暇なんで、それ剥くの手伝いますよ。」
俺は手持ちぶさたになったので、間宮さんが話ながら剥いていたゆで卵を指差す。
「あら、ありがとうね。」
そう言うと間宮さんは、でっかいボウルに入っているゆで卵を渡してきた。改めて見ると凄い量だ。百じゃ済まなさそうだ。
「うし、頑張るかね。」
俺は気合いを入れて一個目の卵を手に取った。
……………それなりに熱かった。
―二時間後―
「えっと………
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