第五章 Over World
幸せである証拠だから
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ッッ!!
魔女が爆発して、その消滅が確認された。
爆発の炎の中から黒い何かが飛び出してきたので、それをキャッチする。
「これなんだ?」
「それが、魔法少女が協力できない理由の一つなんです。あ、結界も解けますね」
マミの言葉通り、結界が溶けるように消滅する。
場所は、入ったのと同じ廃ビルだった。
マミの話だと、飛び出してきたこれ―――グリーフシードという物の重要性がよくわかった。
彼女たち魔法少女の使う魔法の源、魔力は無限ではない。
使うたびに彼女たちはそれを浪費する。
まあ、力なのだから、それは当然だ。
そして、その彼女たちの身体から失われた魔力を回復するために、ソウルジェムを使うのだ。
だが、そうしていくとソウルジェムが濁っていく。
そうして濁りきったとき、彼女たちは魔法を使うことが出来なくなるのだ。
そんな状態では魔女と戦うことができない。
ゆえに彼女たちはいかに効率よく魔女を倒すことができるか、ということを学ぶようにもなっていくらしい。
「魔女を倒すと、グリーフシードを吐き出します。それを狙う子もいるんですよ」
「確かに、これはすなわち力の象徴になるわけだもんな」
「へぇー・・・難しいんですね・・・って!!翼刀さんその怪我!!」
「ん?あー、噛まれたからな」
さやかが納得しながらも、翼刀の左腕を指さす。
ポタポタと血を流す翼刀の左腕は、かなりの傷がついている。
やはり噛まれたとあれば、怪我はしてしまうらしい。
急いでマミが手当てしようとする。
だが、翼刀はそれを制して自らの左腕を二人に見せた。
「これが命がけ、その数十分の一だ。もしかしたらこの腕は――――」
左腕を見せながら、翼刀の人差し指が上がっていく。
それはさやかやまどかの身体で――――
スッ
「首かもしれない」
スッ
「腹かもしれない」
スッ
「脚かもしれない」
スッ
「顔面かもしれない」
その箇所を指していく。
その一指しごとに、まどかとさやかの顔が引きつって行った。
「しかも、下手をしたら千切れてしまうかもしれない。上半身と下半身がバラバラに、首が身体をおさらばに、脚が一本無くなるかもな」
「う、うぇ・・・」
「気分悪くなってきたろ?これが戦いさ。でもな」
フォン、と
話しながら、翼刀はヴァルクヴェインで自分の左腕を治してその手で頭を撫でてやった。
「でもだからってそれがいけないわけじゃない。それは君たちが今までの暮らしが、幸せである証拠だから」
「・・・・そうね。そして、あなたたち
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ