第五章 Over World
幸せである証拠だから
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毛津波の中に飲まれ、見えなくなった。
瞬間
ギュガォッッ!!!
飲みこまれた刃があるだろう位置に、綿毛が吸い込まれていった。
渦を巻いて飲みこまれていく使い魔。
刃一本に込められた翼刀の渡航力から来る世界の歪みに、綿毛は飲みこまれて全滅した。
だが
「翼刀さん!!」
「ん?」
まどかの悲鳴に似た声が飛ぶ。
振り返ると、翼刀の背後に別の使い魔がいた。
形状は蝶の羽を寄せ集めたかのような、原色ギトギトの使い魔だ。
その使い魔の口は中心にあるらしく、剣の振り下ろしの際に後ろへと上がっていた左腕にがっぷりと食らいついた。
「そんなァ!!」
「翼刀さぁん!!」
かぶりと食らいつかれた翼刀の腕に、まどかとさやかが悲鳴を上げる。
しかし、翼刀は
「不動!!」
ドッ―――パンッッ!!
左腕の噛まれた場所で不動拳を放ち、その使い魔を吹き飛ばした。
その光景にキョトンとするまどかたち。
だが翼刀はそんな彼女らを置いてけぼりにして、魔女に向かって跳躍して行った。
「ふ――――ンッッ!!!」
ドズゥッッ!!
その肩口(と言っていいのか?)に向かって剣を刺し、更に刃を放つ翼刀。
ゼロ距離からの刃射出に、魔女は身を悶えさせて暴れはじめた。
それでも剣を突き刺したまま離れようとしない翼刀。
しかし伸びてきた触手に足を掴まれ、翼刀の身体が振り回されて壁に叩きつけられる。
「オッ・・・ハァッ・・・ッ、ってーな・・・・」
ガラガラと少し崩れる結界の壁に、腰かけるように立つ翼刀。
そこに丸太のように束ねられた触手が叩き込まれ、翼刀が跳躍して回避する。
「さて、ここらで締めにしましょうか!!」
そう言うと、翼刀が剣に力を込め始める。
跳躍した翼刀がいるのは、醜悪なる魔女の真上。
背面飛びのように背を向け、剣を振りかぶる。
そして身を捻り、全身を使ってその剣を振り下ろした――――!!
「焦土!!」
ドギャッギャギャギャッギャギャギャギャッギィン!!!
――――――ボゥッ!!!
「ギィィいいいいいい!!!!」
振り下ろした刃は魔女の周囲に突き刺さり、数本は魔女自身にも命中している。
密着し、塊で射出された刃同士の接触。その摩擦熱によって刃が発火、炎を上げて魔女の全身を包み込んだのだ。
あんな見た目だが、やはり色にたがわず周囲の緑は草花らしい。
実に豪快に炎を上げ、魔女の身体を焼き尽くした。
そして
「ギャィィィィいアアアアアアアアッッ!!!」
ドゥォン
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