第五章 Over World
二人だったら、心強い
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?少しの間、私と一緒に魔女退治を見学してみない?」
「スルーですか」
魔法少女になる、というのは単純に正義の味方になることではない。
命がけという宿命を背負うのだ。
なればこそ、容易に契約をすべきではない。
もともとマミは、交通事故で死にかけた時にキュゥべえと契約をした身だ。
生きたい。
その願いを以って、彼女は魔法少女になった。
迫りくる死に、考える時間も余裕もなかった。
だからこそ、時間のある彼女たちにはちゃんと考えてもらいたいらしい。
「うーん・・・」
「えっと・・・・」
マミの言葉に、頭を捻って考える二人。
だが、それに対して翼刀は笑いながら二人の頭に手を当てた。
「なに、無理になる必要はないんだろ?素質があるからって、その存在になるのが一番いいとは限らないし」
「素質があるのに、ならない方がいいことってあるんですか?」
「ああ、あるね。その素質ってのがあるせいで、街一つ丸焼けにした男も、昔いたし」
翼刀が悲しそうな顔をして、自虐的に笑う。
まどかたちには真意をつかみかねるが、何か聞いてはいけない気がした。
「っと、時間大丈夫か?中学生が夜遅くまで外出ってのはまずいだろ」
そういって翼刀が時計を確認する。
見ると針の位置は、そろそろ20時近くを指し示していた。
「あ、やっば!!」
「ママに電話しないと!!」
バタバタしながら携帯を掴み、帰り支度をする二人。
その光景を、ほほえましそうに眺める翼刀。
「おぉ・・・・」
「何を感心してるんですか?」
「いや、母親のことを「ママ」って呼ぶ人初めて見た」
「そこですか」
そして淡々と突っ込むマミ。
翼刀は送っていくかと聞くが、二人はダッシュで帰りますから!と飛び出していってしまった。
どうやら結界に取り込まれてしまう恐怖より、親に怒られるほうが怖いらしい。
バタン、と扉が閉まり、部屋が一気に静まり返る。
玄関前を走る二人の足音が遠のき、翼刀がマミに顔を向けた。
「で、ワルプルギスの夜って?」
「・・・・ワルプルギスの夜は、魔法少女の間ではよく知られた存在です」
翼刀の質問に、今度は答えるマミ。
だが両者ともわかっているので、言葉には出さない。
「私もキュゥべえから聞いた話ですけど、最強の魔女、らしいです」
「最強の魔女・・・か」
「現れれば大災害級の破壊を振りまき、一人の魔法少女では決して勝てないそうです」
「怨念の塊、って聞いたけど?」
「そう言う説もありますね。なにぶん、噂でしか知らないので・・・・」
「な
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