第五章 Over World
影少女
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「なんてこった・・・・」
「だったら、あの程度で出てこれて幸運だったってことか」
「ああ・・・・流石は舞台装置の魔女。作り出した舞台上は思いのままってか?」
二人が二人だけで会話を進めてしまう。
置いてけぼりのなのはや翼刀だが、はやてはなんとなく察しがついていた。
「どんだけいたん?」
「え?」
「あの中に、二人はどれだけの時間いたんやって聞いとるんや」
その質問に、蒔風とショウが苦々しい顔をする。
そして、蒔風が人差し指を上げた。
「い、一時間?」
「いや、一週間だ」
時間経過すら思いのまま。
先ほどの一分にも満たない時間で、彼らは一週間を過ごしていたのだ。
「あのやろう・・・やってくれたな・・・」
見上げる先には、ワルプルギスの夜。
その姿がうっすらと消え始めている。
「ゆ、唯子は!?唯子はどうだったんです!?」
「すまない。飛び込んだ時にはもう見失った」
「だが、恐らく唯子はメディテーションをしていた。気力でコーティングして、身体を護っているんだろう」
「そんな・・・・」
「すまない」
心底悔しそうに蒔風とショウがその言葉をひねり出す。
だが、ワルプルギスの夜を追おうとも、一週間もの時間をあの中の迷宮で戦っていた二人はもうこれ以上の力はない。
ドサリ、とその場に倒れ込んでしまう蒔風とショウ。
その見上げる先で、ワルプルギスの夜が空へと消えて行った。
「唯子・・・・・」
空の暗雲は、嘘だったかのように割れて行き、そして解けて消えて行っている。
朝に感じていた日差しが、街に降り注ぐ。
「何が起きているんだ・・・・・」
「原典にないことが多すぎる。しかも、オレらがこれだしな・・・・・」
蒔風とショウが、なのはとシグナムに抱えあげられて立ち上がる。
その二人に翼刀が声をかけた。
「ショウさん、舜さん」
「ん」
「アイツの行先、解りますか」
「追うのか?」
「当然です。唯子は・・・・俺が取り戻します」
「そうか・・・・だが俺もあいつがどっちにどう行ったかは知らない」
「だけど、この先どこに出現するかはわかっている」
「そこは・・・・どこですか?」
蒔風たちの言葉に、振り返ることなく聞く翼刀。
蒔風たちは動けない。
恐らく、この先その地に行けるのは数週間後だろう。
だが、それでも翼刀は、一人でも追うという。
ならば、教えないわけにはいかない。
「見滝原」
「その地に再び、ワルプルギスの夜は必
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