第五章 Over World
影少女
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うにするためだ。
受けながら蒔風は前進し、少女の元へと寄って行く。
このままいけば、少女を一刀のもとに切り伏せることも可能だろう。
だが、相手の攻撃法はそれだけではない。
「パパ逃げてッッ!!」
「!?」
背後からのヴィヴィオの声。
振り返ると、そこには襲い掛かるヴィヴィオ本人とアインハルトがいた。
その光景に一瞬腕が止まり、二人の拳を受けてしまい、更に背中を鞭で打ちつけられ、地面を転がる。
バチィ!!と蒔風の背中ら火花が散り、ガードのために展開した翼から羽根が少し散った。
ヴィヴィオとアインハルトは少女の左右に立ち、まるで親衛隊の様に、蒔風へと構えを向けていた。
「パパァ!!」
「パパ言うな・・・・」
「お父さん!!」
「お父さんでもねぇ・・・・俺のことは・・・オニーサンと呼べ!!」
バサァ!!と翼を翻しながら、蒔風が怒りの表情で立ち上がる。
その対象は、言うまでもなく少女に向けてだ。
「テメェ・・・・よくもこんな攻撃してくれたなぁ、おい!!!」
その表情を見て、ヴィヴィオもアインハルトも凍りついた。
自分たちに対してでないというのに、恐ろしいほどの殺気を感じ取った。
戦場に立つ戦士と、競技の範疇で戦う自分たちとの違いを見せつけられているかのよう。
「ヴィヴィオ、アインハルト。それにほかの子たちも」
しかし、一変して蒔風の声は穏やかになった。
そしてニコリと笑って、微笑みかける。
「少しだけ我慢してな。オニーサンがすぐに助け出してやるからよォ!!!」
そして、一気に顔を変えた。
親しみある顔から、一気に冷徹な戦士へと。
ギャォッ!!という凄まじい摩擦音がして、蒔風の姿がその場から消えた。
直後、少女の背後に回り込んだ蒔風がトンファー型の「天」で少女の首を切り落とそうと腕を回した。
だが、少女はそれを瞬時に察知し伏せ、ヴィヴィオとアインハルトの後ろ蹴りを蒔風に見舞わせた。
それを蒔風は畳返しで受け止め、さらにその畳返しは少女を上空へと打ち上げる。
それを追って蒔風が「風」「火」を投げ放ち、自身も後を追って飛んだ。
少女が剣を弾き飛ばし、その二本を蒔風がキャッチして両肩を貫く。
瞬間、まるで悲鳴のように甲高い声が響き渡り、蒔風の頭を振動で揺らした。
「グッ・・・う!?」
凄まじい嘔吐感に襲われながらも、蒔風が剣を捻って下に剣を振り切り、少女の脇がバックリと引き裂かれる。
そして少女を蹴り落とし、そこに向かって剣を突き出して落下して行く蒔風。
だが、少女は片腕を
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