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世界をめぐる、銀白の翼
第五章 Over World
影少女
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態だ。



だから翼刀は蒔風に声をかけた。


しかし、彼は動かなかった。
否、動けなかった。

リング上で一体の影少女とにらみ合って、拳を握りしめてその場から動くことが出来なくなっている。



「今それどころじゃねぇんだよ・・・・・」

蒔風の額に汗が流れる。
今動けば、確実に周囲への被害が甚大なものになる。

恐らくそれは、憑りつかれた少女たちを巻き添えにするだろう。


「グッ・・・に、逃げてください・・・・翼刀さん!!」

「唯子さんも!!このままだと私たち・・・・!!」


状況を理解し、だからと言ってどうすることもできない翼刀たちに、ヴィヴィオやアインハルトたちが叫びかける。
見ると彼女たちも憑りつかれており、必死に抵抗しているのだろうが無慈悲にも身体は勝手に動いてしまう。



それを肩越しに感じ取り、蒔風が短くこぼす。



「少し持ちこたえてろ・・・・すぐにこいつぶっちめてそっち行くから・・・・翼刀ォ!!それまで任せたぞ!!」

「りょ、了解!!」



蒔風が叫ぶ。
と、同時に影少女がユラリと動き、瞬時に蒔風が斬りかかって行った。


直後





ドゴォウァッッ!!



リングが置いてあるコロシアムの外周で、何かが衝突して爆発した。

その土煙の中には、蒔風と影少女。
影少女の腕が蒔風の首を掴んでおり、そのまま外壁に叩きつけたのだ。



二人がいたのは、中央リング。

そこから一瞬にしてここまで移動し、蒔風が叩きつけられた、ということだ。




「ガッ・・は・・・・」

「――――」


叩きつけられ、呻く蒔風。
だが憎たらしそうな顔をして、直後にその腕を掴み取った。


「なめんじゃ・・・」

グォッ!!

「ねェよ!!!」

バガドゴゥッッ!!



首から強引に腕を外し、そのまま左右の外壁に叩きつけてから放り投げる蒔風。

そしてそれを追って飛び出し、剣を振るって攻撃していく。


が、影少女はそれを腕で受け止め、回転してからの裏拳で蒔風を弾き飛ばした。



ドォン!!という轟音とともに落下した蒔風が、瓦礫の中から立ち上がろうとするときにはすでに少女は目の前まで飛来しており、腕から煙を発していた。

その煙は鞭のようにしなり、ビュンビュンと蒔風に向かって振るわれてくる。
それを回避する蒔風だが、さっきまで自分のいた場所が一瞬で削り取られるところを見てゾッとした。


だが、目の前に再び鞭が飛来し、それを獅子と麒麟を振るって受けていく蒔風。


左右から迫る鞭を弾くように打ち付けていくのは、鞭が剣に絡まないよ
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