0113話『たった一日の指輪の奇跡』
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…ケッコンカッコカリの贈り物だ。受け取ってくれないか?」
私はネックレスを榛名に贈った。
「提督……嬉しいです。その、つけてもらってもいいですか?」
「わかった」
それで榛名の首に触れてネックレスをかけてあげる。
そして鏡を見て、
「とても綺麗です……」
榛名はネックレスを見てそう呟いていた。
これで私も『榛名も綺麗だよ』と少し気の利いた言葉を言えればよかったのだけどさすがにそんなきざなセリフは言えなかったので、
「似合っているよ榛名」
「ありがとうございます、提督」
そしてふとそこで私と榛名の薬指に嵌められている指輪の輝きがどんどんと消えて行っているのを見て、
「そろそろ時間か……一日ってなんだかんだで短いよな」
「はい。提督……少し、目を瞑っていてくれませんか?」
「わかった」
それで私は目を瞑った。
そして次に感じたのは唇への感触。
それがなんなのかを分かった上でしばらくそのままでいた。
時間が経ち感触が消えたのを確認して目を開けてみるとそこにはもう榛名の姿はなかった。
代わりに私の隣で顔を赤くさせながらも照れている透明な状態の榛名の姿があって、
《えへへ……提督の唇、頂いちゃいました》
「貰われちゃったな……それよりお帰り、榛名……」
《はい。ただいまです提督》
先程まで感じられなかった榛名との繋がりがしっかりと実感できる。
ああ、そうだな。認めよう。
私は榛名とのこの関係が一番しっくりくるんだな、と。
「榛名。また来年……こうして楽しもうな」
《はい。今度はもっといい思い出を作りましょうね提督!》
それで二人で約束をして来年の記念日がまた一つ増えた最良の一日だった。
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