0113話『たった一日の指輪の奇跡』
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気づいたのだろう、「あ、提督……」と少し寂しそうな声を出す榛名。
それで周りにいたみんなも道を開けてくれて私は榛名のところまで来て、
「大丈夫か、榛名?」
「はい。でも、提督がそばにいないと思うととても胸が苦しくなってしまって……」
「榛名。それに司令。それはおそらく二人とも共依存のような状態になっていると思うのですが、間違いないですか?」
霧島の推測した状態については私も心当たりがあったので「多分、そうだろうな」と言葉を返していた。
「やっぱり。多分ですが今までずっと提督と榛名は一緒に過ごしてきましたからもうどちらか片方が一緒にいないとすぐに不安になってしまうという状態にまでなっていると思うんです」
「ひぇー……それじゃもう榛名は提督と一心同体みたいなものって事ですか? 霧島?」
「おそらく。比叡お姉さま」
それで霧島の話した内容を周りで聞いていたみんなも、
「それじゃそれじゃ! とっても大変ってことでしょう!?」
「司令官! 榛名さん! 大丈夫!?」
暁と雷がそれで心配の言葉をかけてくる。
「確かに……これまでいつも一緒にいたから気づかなかったけど私と榛名はお互いに依存していたんだな」
「はい。榛名もこうして分かれてみて気づきました」
そこで長門がらしくないけど一つの提案をしてきた。
「それでは提督に榛名。今日の残り一日はずっと一緒にいればよいのではないか?」
「ちょっと、長門? そうは言うけど提督も仕事があるのよ? それじゃ榛名の事を構ってあげられないじゃない……?」
陸奥がそこに心配をしているけど長門は「心配ない」と言葉を出して、
「なんのために私が提督が出撃する時は提督代行をしてきたと思う? こういう時こそ私が今日だけは提督代行をするべきだろう。大淀、補佐を頼んだぞ?」
「わかりました、長門さん」
なんか長門がとても頼もしく思えてくるな。
それからもなんかいつもより積極的に私と榛名の周りの環境をよくするためにみんなが話し合っていて、結局午後には私と榛名は仕事もなくなって二人で過ごすことになった。
「それじゃ榛名。今日は鎮守府内を散歩でもしてようか?」
「はい、提督……」
それで今日一日は色んな所を見学していた。
見学するたびにその場所にいた子達に冷やかされるという事もあったけどみんなは意地悪をしていないというのは分かっていたから笑って許してあげていた。
ただ榛名は恥ずかしいのか私の背後に隠れていたけど。
そんな事で時間は刻一刻と過ぎて行って夕暮れ時、沈んでいく太陽を見ながら、なんだかんだで楽しんでいた私と榛名。
そして一緒に夕食を摂って、そのまま後少しで時間も十二時を過ぎてしまうという時に私は榛名に今日が終わる前に、
「榛名…
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