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翠碧色の虹
第二幕:ふたつの虹に逢いたくて
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崎さん!? どおしてここに?」
時崎「水風さんこそ、どうして!?」
水風「どおしてって、ここは、私のお家ですので・・・」

・・・冷静に考えれば、すぐ分かる事だった。ついさっき、水風さんは「ただいまぁー」と言っていたのに、こんなに動揺しているなんて・・・。

女将「あら!? 七夏、お知り合いの方なの?」
水風「はい。前に少し、お話した事があって・・・」
女将「そうなの!? じゃ、少し早いけど、こちらのお客様を、お部屋に案内してあげて」
水風「はーい」
時崎「水風さん!!」
水風&女将「はい!」

俺の言葉に、水風さんと女将さんが同時に返事をしてきた。

水風「あ、私の事は『ななつ』で、いいですよ」
時崎「じゃ、じゃあ、な、ななつ・・・ちゃん。お世話になります!」
七夏「はい!こちらこそ!」
時崎「俺の事も名前でいいから!」
七夏「ありがとうございます! えっと・・・柚樹さん、ようこそ、風水へ!」

七夏ちゃんは、俺の名前を覚えてくれていた・・・素直に嬉しく思える。

女将「私は『凪咲(なぎさ)』と申します・・・凪咲でいいわ」
時崎「お世話になります。凪咲さん」
凪咲「こちらこそ! ごゆっくりなさってくださいね。柚樹君・・・で、いいかしら?」
時崎「はい!」
七夏「では、柚樹さん! こちらへ!」
時崎「ありがとう。凪咲さん、七夏ちゃん」

・・・こうして、俺は水風七夏さんと再会する事ができた。
七夏ちゃんが、俺の方をじっと見つめて待っている。俺の記憶に間違い無く、七夏ちゃんは、七色に変化するの瞳・・・ふたつの虹を持つ少女であった。しかし、俺は初めて出逢った時の七夏ちゃんの虹に対する反応が気になった為、今は瞳の事は何も聞かないことにした。

第二幕 完

−−−−−−−−−−

次回予告

ふたつの虹は幻ではなかった。けど、とても繊細で近づく事(触れる事)すら躊躇ってしまう・・・。

次回、翠碧色の虹、第三幕

「ふたつの虹とふたつの心」

俺は、ふたつの虹と心・・・どちらを優先すべきなのだろうか・・・。
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