第二幕:ふたつの虹に逢いたくて
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ざって民家らしき建物も存在する。俺は表札を確認しながら、更に足を進める。商店街からの道は、まばらに点在する民家へと続いており、もうこの道も先はそう長くはない息切れ感がしてきた。そんな時、一枚の看板が目に留まる・・・。
時崎「『民宿風水』・・・みんしゅくふうすい・・・宿の事か・・・」
時崎「風水!!! ・・・って、おいおい!!! 惜しいっ・・・惜しすぎる!!!」
何のイタズラか、確かに「風水」って縁起良さそうな名前なのに、この仕打ちは何なのだと思ってしまう。まあ、この民宿には何の非もないので、さっき思った事を取り消し、心の中で謝罪する。風水とは縁起良い名前なので、今日の宿はここにしようかな。縁起の力(?)で水風さんに出会えるかも知れない・・・。その民宿に空きがあるか確認に向かう事にした。「民宿風水」の前に着いたけど、営業してる・・・かな? 見たところ、そこそこ年期の入った建物だが、玄関付近の草花を見る限り、手入れはされているようだ。
時崎「すみませーん!」
??「はーい」
奥から女将さんらしき人が現れた。「風水」という文字が入った和装姿。表情は穏やかで髪は後で結っている。
女将「いらっしゃいませ! あら? ご予約でしょうか?」
時崎「突然予約も無しで、すみません。予約しないと無理でしょうか?」
女将「いえ! お部屋は空いておりますので、ご予約はなくても大丈夫です!」
時崎「では、今晩よろしいでしょうか?」
女将「はい! あ、当宿は禁煙になりますけど、よろしいでしょうか?」
時崎「はい。大丈夫です」
女将「ありがとうございます! ようこそ、民宿風水へ!!」
時崎「あ、『ふうすい』では、なかったのですね」
女将「そう読まれる方が多いですね」
時崎「まだ、準備中・・・でしょうか?」
女将「はい。お昼前からなら大丈夫です! よろしければ、昼食も用意できます!」
時崎「ありがとうございます! それでは、お言葉に甘えて昼食もお願いいたします」
女将「はい! ありがとうございます!」
昼食まで少し時間があるので、写真撮影も兼ねて少し散歩してみよう。
水風さんも探さなくては・・・。
??「ただいまぁー」
・・・聞き覚えのある声・・・俺は自然と声の方向に意識を持って行かれ・・・っ!
時崎「みっ、水風さんっ!!!」
女将「!?」
・・・あまりに突然の事だったので驚いた・・・その驚きに、声の音量が比例していた。
水風さんは、女将さんと同じく「風水」という文字の入った和装・・・というよりも、浴衣姿だった。髪は後で結っていて、初対面の時の学生服姿とは随分印象は違うけど、その瞳には「ふたつの虹」が輝いており、水風さん本人だという事は確実だった。
水風「あっ、えっと、時
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