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翠碧色の虹
第二幕:ふたつの虹に逢いたくて
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服と学校とバス亭か・・・。ひとつ気になっている事がある。水風さんが七色に変化する瞳の少女だとすると、この街で話題になって、それなりに有名人なのかも知れないということ。しかし、虹に対する水風さんの反応がイマイチだった事を考えると、水風さん自身はその事を気にしているのかも知れない。「虹色の瞳の少女を探してます」なんて訊いて回るのも、水風さんを傷つけてしまう可能性がある為、それはできないと思っていた。そもそも、俺が撮影した水風さんの写真7枚(のうち、瞳が写っている5枚)の瞳は、全て翠碧色(緑青色)の瞳として写っている。・・・あの時は、寝起きだったので、俺の見間違いの可能性も、十分に有り得る。だから確かめたいっ!!!

さて、どうしようか・・・。昨日と同じ事をしても、同じ事の繰り返しになりかねない。水風さんと出逢った日の事を思い出してみる。地図を確認しながら・・・水風さんはこの道の方向へ歩いていた。とりあえず、その道を歩いてみる・・・。

時崎「いきなり三叉路か・・・どっちだろう?」

そういえば、水風さんは道路の左側を歩いていた・・・。単に、左側通行だからなのかも知れないが、次に左へ行くのなら、予め左側を歩いている可能性がある。俺は左を選んで歩いてみる。小さな住宅街のようなので期待感が高まる。携帯端末での地図は流石に個人の家の名前まで分からない・・・そもそも、歩きながら携帯端末の地図を見るのは危険だ。俺は、携帯端末の地図を頭に叩き込み、住宅の表札に「みずかぜ」と読める文字がないか見て回る。二〜三十件程度見て回った所で、袋小路とご対面。

時崎「こっちでは、なかったか・・・」

しかし、もう一方がこっち側のように数十件規模の住宅街だったとしたら、かなり限定できると思う。この街が比較的小さな街であった事に感謝しつつ、俺は再び先ほどの三叉路まで戻ってきた。勿論、戻る際も表札は再度チェックしてきた。今度は右側に進む。

時崎「今度は十字路か・・・もう少しだと思ったのに・・・どっちだろう?」

しかし、この十字路、携帯端末の地図情報によると、一つは今、歩いて来た道へ繋がりそうで、もう一つは山奥へ向かっている。携帯端末を閉じ、残った一本の道を目視すると、その先は小さな商店街のような印象を受けた。昨日見て回った駅前の商店街よりも規模は小さく・・・って、いうより、少し寂れているようだ・・・以前は活気があったが、現在は、駅前の商店街が主になっている印象である。

時崎「可能性が低くなってきたな・・・」

ここまで歩いて、夏の強い日差しの為か、思ったよりも早く喉も渇いてきたので、この商店街で飲み物を頂こうと思う。
小さな商店街だが、それぞれのお店は営業しているようだ。
俺は喫茶店で渇いた喉を潤し、もう少し商店街を歩いてみる・・・。商店街の中に混
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