ペルソナ3
1772話
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「そうね。これを無視して進んだ結果、妙な事になったりしたら、色々と大変だもの」
「そうなると、どうやってこの装置を確認するかだが……結局のところ、実際に試してみるしかないんだよな」
ゆかりを見ながら、そう呟く。
もし装置を試すとすれば、それは当然俺の役目となるだろう。
俺の場合、何が起きても……それこそ、実際にはこの装置が転移装置ではなく、敵を呼び寄せる装置だったり、あるいは転移装置ではあっても、エントランスに転移するのではなく他の場所に転移しても、どうとでも出来る自信がある。
だが、その場合問題なのはゆかりだろう。
まさかこの装置を使えば何が起きるのか分からないのに、ゆかりも一緒に装置を使う訳にもいかないだろうし。
「どうする?」
「どうするって言われても……俺が使ってみるしかないだろ?」
「……そうね。けど、気をつけてよ」
「分かってる。もし何かあったら、ゆかりはすぐにこの塔を出るんだ。炎獣も暫くの間は活動出来るから」
ゆかりの足下にいる猫の炎獣に視線を向けてそう告げると、ゆかりは真剣な表情で俺の方を見ながら小さく頷く。
「よし、じゃあ、行くか」
ゆかりの様子を見ながら、俺はそっと装置に向かって歩き出す。
そして光を生み出している装置に触れると……次の瞬間、俺の姿は、エントランスの中にあった。
周囲を見回すも、塔の1階にあったエントランスで間違いないはない。
どうやら、やっぱりというか予想通り、今俺が使った装置はゲームとかでよくある転移装置の類だったのは間違いないのだろう。
「さて、ならゆかりのところに戻るか」
呟き、再び転移装置に触れるも……転移装置が発動する様子はなかった。
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