ペルソナ3
1772話
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発が消えた後、そこには猫の炎獣が全く傷を受けていない状態で立っていた。
「っ!?」
驚いて一瞬動きの止まった影に向かい、ゆかりの弓から矢が射られる。
空気を切り裂きながら真っ直ぐに飛んだ矢は、そのまま影の仮面を割るかのように突き刺さる。
「ギ……ガ……」
矢が急所に突き刺さり……いわゆる、クリティカルヒットと呼ぶべき致命的な一撃に、影は動きを止め……そのまま力尽きると、溶けるようにして消えていく。
「……ふぅ」
そんな影を眺め、安堵の息を吐くゆかり。
「よくやったな」
ゆかりの背後で、気配遮断を解除するとそう告げる。
「っ!? ……もう、驚かさないでよね」
いきなり背後から掛けられた声に驚きを露わにするゆかりだったが、それでも次の瞬間には声を掛けてきたのが俺だと知り、不満そうにしながらそう告げてきた。
「一応何かあった時にすぐにフォロー出来るようにな。……ただ、今回はゆかりだけで倒せただろ? そこまでする必要はなかったかもな」
「ふふーん。そうでしょ? ざっとこんなものよ」
自分だけで倒せたというのが、ゆかりにとっても大きな自信となったのだろう。
少しだけだが、以前よりも自信に満ちた表情を浮かべているのが分かる。
この調子で影との戦いの経験を積ませていけば、実力も上がっていくだろう。
……ただ、増長しないようにというのは気をつけた方がいいだろうな。
生死が掛かっている戦いの中で増長するというのは、それこそ自分の命を捨てるような代物だ。
ましてや、今は俺も一緒にこの塔の攻略をしているが、いつホワイトスターと繋がるのかというのは、俺にも分からない。
もしこの世界で原作の途中や……あるいは原作が始まる前にホワイトスターとの連絡が取れるようになった場合、俺は塔の攻略を中断せざるを得ない。
いや、もしかしたらシャドウミラーのバックアップの下で塔を攻略するという可能性は十分にあるが、逆にそうならない可能性もあるのだ。
その時、完全に俺がいる事を前提として塔の攻略をしようとゆかりが考えた場合、それは命に関わってくるだろう。
そうならない為には、ゆかりだけで戦わせるという経験をもっと積ませた方がいいのかもしれないな。
勿論、今はまだ戦闘という行為に慣れていないから、それをやるのはもう少し先になってからの話だが。
「そうだな、中々に良かったと思う。……炎獣が攻撃された時に一瞬動きが止まったのはどうかと思うが」
「だって、それは……」
「ああ、気持ちは分からないでもない。けど、今回の件で分かっただろう? 炎獣ってのは、小さくてもかなりの攻撃力を持っている。それこそ、あの程度の影が相手ならどうとでも出来る程度にはな」
「……分かってるけど、
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