0112話『瑞雲祭り大とりと輝きだす指輪』
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
起こさない事にする。
《ところで浜風》
「はい、なんでしょうか榛名さん?」
《これからも提督の事を守ってくださいね。私はこんなですからいつ提督が襲われても対応できませんので……》
「わかりました。浜風、必ず提督の事をお守りします」
榛名の気持ちは嬉しいけど私は榛名をこそ守ってやりたいんだよな。
いつも裏ではどこかで傷つけていると思うから榛名のためになる事をしてやりたい。
そんな私の思いとは裏腹に、
「それじゃいこうか」
《はい!》
「わかりました」
私はこの偽りでもいい平和な時を味わうために心を隠す。
榛名にこんな思いを知られたらまた榛名は心を病んでしまうかもしれないからだ。
だから……今はまだこの関係を続けていこう。
浜風が言ったようにいつか、報われる時が来る日を信じて……。
そんな事を考えていると遠くからおそらく山城と扶桑の声なのだろう、マイクを使って声が響いてくる。
『えー、ほ、本日はお日柄もよく……』
『山城……? どこかいつもの喋りではないわよ?』
『そ、そんな扶桑姉さまこそ……』
『ああ、そうね……こんなに空は青いのに……』
『『……―――不幸だわ』』
そんなやり取りが聞こえてくる。
おそらく大トリを飾るために日向に司会を頼まれたのだろうけど緊張してテンパっているのだろう。
《ふふっ……扶桑さんも山城さんもおかしいですね》
榛名はもう自然な笑みを浮かべているので安心かな?
私ばかりが沈んでいても仕方がない。
今日という日を楽しもうか。
そうして私と浜風と榛名は瑞雲祭りを楽しんだのであった。
……そして瑞雲祭りも最後には盛大に幕を閉じて立派に最後を飾れたのだろう扶桑と山城も満足そうに笑みを浮かべていた。
最後に艦娘音頭を踊って私達は町長さん達に挨拶もして鎮守府へと帰ってきた。
少しこの祭りの終わりが名残惜しいと感じるほどには楽しかったので日向もどこかやり切った感じの顔つきであったのが印象的だった。
《提督。本日は楽しかったですね》
「ああ、そうだな」
《それでは明日に備えてまた頑張っていきましょう!》
「うん。明日には文月の改二も控えている事だしなにより榛名とのケッコンカッコカリのお祝いも開かないとな」
《あ……はい!》
それで嬉しそうな笑みを浮かべる榛名。
私が守りたい笑顔だ。
これからもこの笑みを見たいがために頑張っていかないとな。
「それじゃ榛名。明日に備えてもう寝るとしようか」
《はい。それではお休みなさい、提督》
「ああ、お休み榛名……」
それで私と榛名は眠りにつくのであった。
だけどその時には気づいていなかった。
榛名の指輪が淡く光を出していることに……。
そし
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ