説教タイム 衛宮士郎の場合
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)−間桐慎二
間桐桜−(兄弟)−間桐慎二
「見てみろ。
坊主は間桐兄弟と関係が深いから、おそらく遠坂の嬢ちゃんは坊主を間桐陣営と認識するだろう。
そうなると、二対一になるから聖杯戦争終盤で遠坂の嬢ちゃんは確実に不利になる。
だが、ここで坊主が参加しなかった場合、遠坂姉妹で一騎ずつだから最終盤までこの同盟が続く。
互いに知っている者同士の殺し合いなんて坊主も見たくないだろう?」
なお、サーヴァントには相性があってそれも考慮しないといけないのだが、ここでは聖杯戦争の知識が一番無い衛宮士郎相手だからこそわかりやすさを重視する。
否定できる材料がないからこそ、衛宮士郎はこちらの想定する質問を言ってしまう。
「ここで俺がサーヴァントを持つとどうなるんだ?」
「坊主は間桐陣営と見ているから、中盤から終盤で遠坂の嬢ちゃんが坊主を狙う。
さっきも言ったが、サーヴァントを潰すよりマスターを殺した方が早いのが聖杯戦争だ。
嬢ちゃんにその気がなくても、召喚したサーヴァントがお前を殺すかもしれん。
そうなったら、間桐の嬢ちゃんがブチ切れるのは目に見えている。
色恋沙汰においての女の恨みはおっかないぞ。
平気で身内を裏切り殺すからな」
現実の事件で散々それを見てきたがゆえに、咲村警部の言葉には説得力しか無かった。
既に衛宮士郎の顔色は真っ青だ。
正義の味方にはキツ過ぎる身内同士の殺し合い。
現実には名探偵は存在しないのである。
「繰り返すが、説得だ。
参加を止めろとは言うが、言っても聞かんだろう。
それならば、セカンドプランとして嬢ちゃん同士手を握らせて最終盤まで安全を確保してやれ」
七という数字は勢力を作る場合かなり難しい数である。
衛宮士郎が参加した場合遠坂凛と間桐桜の同盟で三騎になるが、残り四騎が同盟を組むと潰されかねない。
で、四騎の方も2+2で同盟が組めるから、内部不和の種は常に発生し続ける。
遠坂凛と間桐桜の同盟で二騎だと、この四騎同盟の方に話を持ってゆきやすくなる。
「……考えておく」
衛宮士郎はしばらくの沈黙の後、それだけを口にした。
咲村警部は笑って、取引の報酬をテーブルに置いた。
「……これは?」
「取引の報酬。
警察学校への推薦状さ。
正義の味方になりたいんだろう?
警察官はこの国の正義の味方の一つの形さ」
きょとんとする衛宮士郎に説教は終わりとばかりに咲村警部は衛宮士郎の肩を叩く。
「ドラマだったかな?
『正しいことをしたければ偉くなれ』。
あれは正しいぞ。
俺はそれができなかったからこそ、神奈や若宮の嬢ちゃんの世話になっている。
いずれ分かるさ。
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