説教タイム 衛宮士郎の場合
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ていない。
後で間桐慎二から聞いたが、この令呪は椅子取りゲームみたいなもので、聖杯が選ぶシード枠と参加地について召喚呪文を唱えて参加を宣言する枠が適度に入り乱れているらしい。
「冬木市で魔術師が召喚呪文を唱えたら令呪が出るんじゃないか」
とは間桐慎二のコメントである。
もちろん、私達も間桐慎二もそれを衛宮士郎に言うつもりはない。
「無いだろう。
それで参加なんて言っても門前払いだし、下手すりゃ人助けする前に坊主が死体になっちまう」
何も出来ない事を指摘されて衛宮士郎がうつむく。
で、今度は落としたから上げるのだ。
「とはいえ、坊主の助けたいって気持ちも分からんではない。
だから、取引をしようじゃないか」
「取引?」
衛宮士郎が咲村警部の声に顔を上げる。
説教は一方的に叱っても反発されるだけ。
この手の転向のコツはまず相手を肯定する所から始めるべし。
そこから妥協点を探り、相手に納得してもらうのだ。
「まぁ、俺達にはできない仕事だからな。
嬢ちゃんを説得してくれないか?」
「説得?」
首をひねる衛宮士郎。
それが彼の自身の為であると衛宮士郎は知ることは無い。
「少なくとも聖杯戦争に参加する可能性があるのは坊主を入れて、遠坂と間桐の嬢ちゃんが二人。
参加すると坊主と嬢ちゃん姉妹で殺し合いが起こる可能性がある」
「俺はそんな事はしない!」
即座に否定する衛宮士郎。
だからこそ、咲村警部の罠にハマる。
「ああ。
それは信じてやるさ。
だが、嬢ちゃんたちが人殺しをするという可能性を否定できるのかい?
聖杯戦争は、七騎の英霊を用いて七人の魔術師が争う殺し合いだ。
少なくとも、遠坂の嬢ちゃんは参加して勝利するとお前も聞いたよな?」
「……」
「ここでお前が参加すると、確実に遠坂の嬢ちゃんと殺し合いに発展する。
向こうが勝つ事を狙う以上、マスターだっけ?
英霊を操る方を狙った方が楽だからな」
実際に第四次聖杯戦争でマスター狙いが発生している。
そういう意味でも衛宮士郎・遠坂凛・間桐桜の三人が参加した場合、途中まで同盟を組むが最後で遠坂凛と間桐桜が殺し合うとCIAの心理分析官が警告していた。
「で、説得だ。
坊主が参加していない場合、少なくとも嬢ちゃん姉妹は坊主を狙う必要はなくなる。
そして、坊主のコネはうまく使えば説得の材料になる」
こういう時の日本警察の調査力は馬鹿にならない。
衛宮士郎の家に間桐桜が度々やってきていた事を掴んでいたからだ。
咲村警部は衛宮士郎に分かるように、紙に人間関係図を書く。
遠坂凛−(姉妹)−間桐桜−(先輩)−衛宮士郎−(友人
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