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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第61話『領域』
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俺もそう思う。きっと本人の自覚している通り、練度の問題なんだろうな」


腕を組み、そう語った終夜。晴登はそれに賛同し、頷く。

ちなみに、今の結月の症状は風邪に近い。いつもはヒンヤリとしている手が熱いのだ。


「・・・え、なにお前、いつも手とか触ってんの?」

「正確には向こうから触ってくる・・・って、違うんです!」

「はいはい、わかったわかった」


軽くあしらわれ、肩を落とす晴登。何を言っても墓穴を掘る気しかしない。


「さてと、試験の結果については考えとくとして・・・とりあえず、今日は解散だ。三浦は結月をどう連れ帰るよ?」

「おんぶしてでも連れ帰りますよ」

「うわ、大胆……」

「そろそろ怒りますよ部長」


少し語調を強めると、終夜は「怖い怖い」と言って離れていった。とはいえ、きっと緋翼と伸太郎をどうにかしてくれることだろう。


「俺は結月の面倒を見てやらないと…」


晴登は結月を背負い、先輩に別れを告げて帰路についた。






家へ帰り、晴登は自室のベッドに結月を寝かせる。彼女の頬は少し赤みを帯びていて、常に呼吸を乱していた。


「結月、調子はどうだ?」

「まだ怠い、かな……」

「やっぱ普通の風邪だな。体温は33.2℃で・・・まぁ、結月からすれば平熱より高いんだよなぁ…」


風邪の度合いをいまいち把握できず、困惑する晴登。病院に連れて行ったとして、まともに検診してくれるだろうか。


「病院に連れて行かないとなると・・・看病する必要が出てくるな。でもそれだと明日の学校が・・・」


学校には出たいが、結月は助けたい。そんな葛藤が晴登を悩ました。しかし、その選択肢だと答えは自然と一つに絞られる。


「もちろん、結月を助けないと」


忘れかけていたが、この世界は彼女にとっての異世界。慣れたとはいえ、まだ不安要素はいくつもある。独りにしておくなど、誰ができようか。


「智乃の風邪だってよく看てたし、大丈夫だ」


自信を胸に、晴登は結月の看病を始めた。

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