リレイションシップ
インターンシップ
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「さて、件の二人を連れてきたよ。」
鈴谷の後ろに連れてきた少女達が二人。
朱と桃の着物を着た、二人の少女。
その二人を、壬生森は見たことがある。
「えーと、君達が神風と春風だったかな?」
「はい、以後よろしくお願いいたします。司令官。」
神風の言葉に、壬生森は頭を抱えた。
「鈴谷、私はいつから神風型を指揮していたんだい?」
「さぁね?提督がどこでこんないたいけな女の子を引っ掛けてきたかなんて知るわけないじゃん。」
鈴谷はおどけたように肩を竦める。
「貴官の艦隊でなら、トラックで殉じた司令官の仇を取れる……私はそう、確信したのです。」
神風は壬生森の側まで歩きながら、そう語る。
「あの、如何なる敵に屈しないだけの力。私に必要なのは、あの力なのです。あの叢雲が見せた力が。」
神風と壬生森は対峙する。
壬生森は呆れたような、困ったような、そんな顔。
「神風、君の目的は……復讐か?ならば無意味だ。君の仇は既に光と消えた。それ以上は八つ当たりしか出来ない。」
「私は、あの日に何も出来ず、ただただ弱かった私こそが許せないのです。私はあの日とは明らかに違う強さが欲しいのです。例えば姫クラス、鬼クラス、いや……それ以上の存在にさえも、対峙することが出来るだけの力が。」
「君は、その力を得られるだけの器を、持っていると思うか?」
壬生森の冷めた目。
神風はまっすぐに見つめる。
神風が、腰に下げていた刀を見せる。
鞘に傷が入っている、黒い鞘に入った脇差し。
「得てみせます。私はこの剣に対して、その責務があるのです。」
「その剣は、かの提督の遺品か。確か、回収した遺品のリストにあったが、それは彼の遺族に引き渡されたハズだ。」
「私も、遺族です。」
左手には、シンプルな銀の指輪。
壬生森が、頭を抱えた。
懐かしい感覚だ。
本当に、自分のところに来る艦娘はなんで揃いも揃ってこう、ややこしい奴ばかりなのか。
壬生森はハァ、と溜息を吐く。
「私は託されたのです。彼のような犠牲を産み出さないことを。ですが、他の提督の下に行くとなれば、記憶処理は免れない。この願いも想い出も、掻き消えてしまう。それでは、私はなぜ、生き延びたのか……意味がない。ですが、貴方の下に行くならば、それを受けずに済む。そして、貴方の艦隊はあのような怪物を狩る部隊。私の求める全てが、貴方の艦隊にある。」
壬生森は、どうしたものかと悩む。
神風の目が、あまりにもまっすぐに向いていたから。
復讐者というには、あまりにも綺麗な目だったから。
「現実は辛いぞ。」
「心得ています。」
「我々の仕事は、正義の味方なぞではない。」
「私のこの願いは、こ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ