二 怪しい雲行き
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い」
険悪な二人の間の空気をまったく読めないナルと、その状況の原因を理解して苦笑する綱手達。
そしてその口喧嘩を止めたのも、原因を作った本人だった。
「え〜と、よくわかんないけど…前のように、テマリ姉ちゃんって呼んでもいいってば?」
「…まあ、それで今は良しとしよう。だがいずれ…」
「いずれも何も、これから先ねーよ」
「ふん、貴様には関係ないだろう」
悪態をつくシカマルを、鼻で笑うテマリ。
「…ッ、てめ…」
普段滅多に怒らないシカマルがなぜ不機嫌なのかわからぬまま、ナルはテマリに声をかけた。
「て、テマリ姉ちゃんはどうしてココにいるんだってば?」
久しぶりに会って少し照れ臭いのか、恥ずかしげに「姉ちゃん」と小さく言葉を紡ぐナルを、テマリは微笑ましく感じる。
こんな妹が欲しかったな、と二人の弟を持つ長女は切実に思った。
テマリの考えが読めたいのは、(相変わらず、この子は変わってないわね)と苦笑する。
火影室が談話室になることを怖れて、綱手の隣に控えていたシズネがこほん、と咳払いした。
「綱手様、そろそろ…」
「なんだい、水をさしおって…空気が読めないねぇ」
「綱手様の場合、サボりたいだけでしょう!」
口煩い側近に騒がれて、綱手は辟易とした表情を浮かべる。
二人のやり取りに苦笑した自来也は「わしはまだ報告があるから、お前達は先に出とれ。積もる話もあるだろう」とシカマルに視線を寄越した。
察しの良いシカマルは素早くナルとテマリ、そしていのを連れ立って火影室を後にする。
四人の足音が火影室から遠ざかったのを見計らって、綱手は何の前触れもなく背後に声をかけた。
「もう入ってきていいぞ」
「アイツ…成長したのは体格だけじゃないですよね?修行の成果があるとありがたいのですが」
火影室の窓の向こう側から即座に返ってきた返事に、自来也はふんっと鼻を鳴らす。
「抜かりがあると思うか?気を抜くとお前も出し抜かれるぞ」
挑発めいた答えに、火影室の外で待機していた畑カカシは満足そうにマスクの下で笑った。
「そりゃあ、楽しみですね」
窓から失礼して火影室に入ってきたカカシと、綱手と自来也の間で流れる空気を感じ取って、一礼したシズネは静かに退室する。
暫しの沈黙ののち、自来也がまず口火を切った。
「ヤツらの動きが活発になってきた」
その一言で、綱手とカカシはたちまち険しい表情を浮かべる。明確に言わずとも、ヤツらの正体を二人は把握していた。
『暁』――十数名ほどの忍びによって構成されている犯罪組織。
メンバーは何れもビンゴブックに載っている凶悪なS級犯罪者ばかり。そんな奴らが波風ナル――正確には、九尾の狐を狙っているという。
「各国の警備担当者には『暁』の情報を流
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